もう一人の自分 持ってますか?
「自分って・・・・・・ 一人じゃないの?」
そう思った方はちょっと立ち止まって、自分の中にいるもう一人の自分のことを考えてみてください。
ふだんは明るくて人付き合いのいいあなたの中には、もう一人の自分がいるはずです。
例えば、人との接触を避けてひたすら自分の内面に向かう、もう一人の「あなた」です。
なんとなく心当たりがありますか?
実は一人の人間の中には、もう一人の「自分」がいます。そして、その他にも自分では気がつかない複数の「自分」が存在しているのです。
複数の自分を発見するには?
自分の中に潜んでいる自分はどのように見つければいいのでしょうか?
ここでは、心理学の分野で使われている「性格分類」を利用する方法を紹介します。
深層心理について研究したことで有名なスイスの精神科医ユングは、人間の性格を8つのパターンに分類しています。
まずは、この分類でどんなタイプがあるかを知り、自分がどのパターンにあてはまるか考えてみましょう。
外向的思考タイプ
現実世界の現象から、さまざまな法則性や公式、一定のルールを見い出そうとする人。研究員、学者に多い。
内向的思考タイプ
法則性やルールを求めながらも自分の内面に関心を持つ人。私とは何か、人間とは何かなど問いかける典型的な哲学者タイプ。
外向的感情タイプ
外の世界で大多数の人が好むものを追求する人。芸能界やショービジネスなどでプロデューサーとして働くと成功する確率が高い。
内向的感情タイプ
損得勘定や他人の目などはあまり気にかけず、「自分にとって本当に喜ばしい人生とは何か」を追い求める人。宗教的な修行者のように見える。
外向的感覚タイプ
現実の世界をそのまま受け入れ、人生はそれで十分だと考える人。出来事や物に対してあれこれと思考せず、感覚で物事をとらえていく。
内向的感覚タイプ
現実のものをただ受け入れるのではなく、そこに自分の内面をプラスしようとする人。画家など芸術家タイプが多い。
外向的直感タイプ
現実の世界から隠れている可能性を見い出せる人。たいていの人がまだ気づいていない何かを発見する力を持っている。
内向的直感タイプ
自分が生み出すかもしれない何かを追求する人。ひたすら自分の内面に入りこむため、他人には何を考えているか分からないことが多い。詩を書いたりする。
複数の自分を自覚する
いかがでしたか? おそらく多くの人は一つではなく、複数のタイプで当てはまるものがあったはずです。
私の場合は「外向的直感タイプ」と「内向的」なタイプすべてが当てはまりました。性格を分類するためにはこれではいけませんが、隠れた自分を発見するのには役立ちます。
つまり、私の中には5人の「自分」がいます。その多くは内面的な人ですが、たった一人の外向的な「自分」が外の世界とのパイプ的な役割を果たしていることになります。彼だけが現実の世界を見つめ、残りの4人はひたすら内面の世界に向かっています。
一人の中には8人の自分がいる?!
これは私個人の独自の解釈ですが、一人の人間には8つのタイプの人間が潜んでいるのではないかとも考えられます。先ほどの私の例でいえば、「5人の自分」は意識の中できちんととらえられています。じゃあ残りの3人はいないのかということになるのですが、これはあくまで「意識」上の話です。人間の心の中には「無意識」の領域があり、この部分は普通の人がどうがんばっても意識して理解することはできません。そう考えてみると、もともと人間には8つのタイプの人間が潜んでおり、それが遺伝や外部の環境によって方向づけられるのではないかと思われます。あくまで推測の域を出ませんが・・・。
外向的人間はビジネスに強い
もうお気づきの方もいるかと思いますが、外向的なタイプはどれもビジネスに向いています。彼らは常に外の世界(現実世界)に関心を持っているので、ビジネスとの相性が抜群にいいのです。
コツコツと働く会社員のほかに、セールスマン、プロデューサー、トレーダー、編集者など、例をあげればきりがありません。
つまり、外向的なタイプの自分をたくさん持っていればいるほど「金儲け」にはめっぽう強いということになります。
また、外向的なタイプが少ない人でも、その少ないタイプの自分をうまく活かせばビジネスとして成功する確率が高まります。
内向的な人間はクリエイティブ
内向的な人間はビジネスには全く向いていませんが、芸術など創造な分野ではめっぽう強いといえます。
つまり、作品作りに励むことで、一般的な人にはとうてい不可能と思えるようなものまで生み出す可能性を秘めています。
このような人間は、ごく普通の会社勤めには向いていないことが多いでしょう(特に内向的直感タイプの人)。がんばって働いていても、他人に理解されないことがほとんどです。コミュニケーション能力が低いためにトラブルなど、不都合なことが続出するはずです。
内向的な傾向が極めて強い人は早めに退職してクリエイティブな活動をすることをおすすめします。
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複数の「自分」を活用して働くことのメリット
フリーランスの人はさまざまな自分を活用することで、大きな利益を得ることができます。働いているのは一人でも、実際には複数の自分が働いていることになります。
生産量は2倍以上
外向的なタイプと内向的なタイプの自分にそれぞれ仕事を振り分けることで、最低でもこなせる仕事量が2倍以上になります。うまく活用してあげると、5倍以上も夢ではありません。
疲れたら交代できる
内向的な自分が疲れた場合は、すぐに外向的な自分にタッチして交代するので、あまり疲れません。そのため、生産量を一定の水準に保つことができます。
精神的に安定する
自分の中にいる複数の自分を認めることで、精神的に安定します。フリーランスの人は基本的に一人で作業するので、さまざまな自分を他人の目を気にせずにすみます。
複数の「自分」をフル活用する
内向的、外向的の違いを押さえたら、自分の中に潜んでいる自分に仕事をさせてみましょう。
例えば、「外向的思考タイプ」がいる人は、何かについての研究をし、それを発表・公開するようにします。
「内向的感覚タイプ」がいる人は、絵やイラストを描くのがいいでしょう。
私の場合は「外向的直感タイプ」の自分を活用し、製品やサービス、世の中の新しい動きなどをキャッチさせています。
また、「内向的感覚タイプ」の自分には文学的な文章を、「内向的感情タイプ」の自分には他人の役に立つような文章を書かせています。
まとめ
「自分の中には複数の自分がいる」という考えは一歩間違えば危険なことでもあります。
特に会社のような場所では、常に「自分=一人」であるように振る舞わなければ危険人物とみなされてしまうことでしょう。
しかし、フリーランスで一人で働いている人は、積極的に「複数の自分」を活用するべきです。
ビジネスに役立つのは主に「外向的な自分」ですが、空いた時間に「内向的な自分」を活用することで思わぬ成果をあげることができるでしょう。
自分の中に複数の自分をいることを認めることは、精神的な安定ももたらします。
それは心の「意識」部分だけでなく、自分ではなかなか見えない「無意識」の部分を認めることでもあるからです。
あなたが今まで以上に生き生きと活動していくためにも、心の中に潜んでいる「複数の自分」をぜひ活用してみてください。
手にとるようにユング心理学がわかる本―「自分の心の正体」はどこにあるのか?
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