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【エッセイ&考察】明菜さんと南野さん

中森明菜さんが作曲家の林哲司氏のトリビュートアルバムにセルフカバーとして『北ウイング』を歌われることを知ってからというもの妙に浮足立っている。

吉報は突然脈略もなくやって来る。

やっぱり最後の最後まで諦めちゃいけないと改めてしみじみ思うのだ。(何事もね)

Xのタイムラインには私の呟きを反映した「おすすめ」がエンドレスに流れる。水の如く。

自分でもわかってる。自覚はある。
最近なんだか情緒が不安定なことを。

そんなタイミングに明菜さんは駆けつけてくださって私の崩れ行く心に両手で掬い包み込む。明菜さん、ありがとう…。

まぁ、社会を史上空前前代未聞の大嵐が吹き荒れていることが私のキャパの器を粉砕したんだとも自覚してる。

別に関係者でもないのだが、これは創作する者の端くれとして大いに関係ありなわけなのだ。個人的には。私がそう感じるならそうなのだ。

殺伐と、心は廃れて、それでも情報を得ようとしている私がいる。
いっそのことこの際しばらく俗世と距離をとって…
とも考えたがそれを上回る個人としての創作熱がある。何もしないことで得られるものもあるが、今は何かしらしつづけなくてはならない時なのだ。
だから私は傷口を広げ塩で揉んでもスマホを手に取る。(弱音なんて吐けない)

私が支離滅裂な方向定まらぬポストをするから、Xの「おすすめ」は素直にとっちらかった反映をする。心の鏡だ。

やりきれないこともポストしたり、削除したり、現実逃避に好きなものを片っ端からいいねしたり、すると、見えなかったものが見えてきたりして、これもちょっとした怪我の功名ってやつなのかもしれない。(都合好く考えよう)

明菜さんの令和の歌声が聴ける喜びが「おすすめ」に反映され、明菜さんを好いている方たちの情熱溢れるついーとが見られる。

併せて最近南野陽子さんの周期がやってきてたこともあり(年に必ずあるんです。そういう周期)ナンノのこともポストしていたのだ。

それが素直に反映されナンノの特集記事がウェブサイトに掲載されていた時期とも重なり、ナンノ情報をインプットするよい機会にも恵まれた。

ナンノは85年デビュー組の一人だが、花の82年組と呼ばれるアイドル大豊作の年に次ぐ…もとい匹敵する輝かしい年である。

斉藤由貴さん、中山美穂さん、浅香唯さん、本田美奈子さん、井森美幸さんと、まぁ、豪華なメンバーである。
そこに、ナンノこと南野陽子さんである。

スケバン刑事の初代が斉藤由貴さんだったので、順番にデビューの年が違う先輩後輩になるのかなと勝手に勘違いしていたがシリーズ3作の主人公は皆同期デビューなのであったことに驚いた。

「スケバン刑事」はやはり王道で語りつくされているが、この話なくしては進まない。

初代が85年放送開始で3代目で87年まで続いているのだが、私は2歳〜4歳の間に3作のスケバン刑事が放送されていたことになる。
覚えているはずのない年齢なのに、しっかり南野陽子さんのスケバン刑事に心奪われていたのはなぜだろうか。

幼い頃家族でファミレスで外食してお会計の際、レジ周りにはちょっとしたスペースがあり、そこにはこどもがとびつくおもちゃやお菓子が販売されていた。

私はそこで南野陽子さんとお揃いのヨーヨーをかってもらったのだ。これは鮮烈に覚えている。

パカッと開くと桜の代紋。
チェーン状の紐でヨーヨーをするにはかなり難易度が高かった。
だが、すごい練習をしてヨーヨーが手元に戻ってくるまでに上達はしたのだ。
本当ならそれを武器に「おまんら、許さんぜよ!」と、シュルルルーっと敵(身近な人)にぶつけて攻撃したいところだがそれは危険だとこども心にも理解していた。

だが、なぜ、放送当時の年齢とのズレがあるのか…。どこかで再放送を本放送と思って観ていたのかもしれない。

地方だから放送日時も時間もごちゃごちゃしてたのだろう。
笑っていいともがちゃんと生放送で観られただけでも私の故郷はましなのだ。と、思うことにする。

そして、どうして南野陽子さんを刷り込みでずっとかわいいと思いつづけているのか、冷静に考えていた。
いやいや、理屈抜きに南野陽子さんはかわいい。今も美人だしかわいい。
キャッチコピーの「純だね、陽子」に偽りなく少女漫画から飛び出してきたお嬢様然としている。
ふんわりワンピースドレスで草原の向こうから手を振って駆けてくる…。(イメージが昭和)
あぁ、眩しいくらい似合っている。
そんなアイドルの王道を突き進んでいたのが南野陽子さんだ。
そこに特撮の要素が付け加えられたらば少年の心は鷲掴みだ。
だから、ずっとナンノはかわいいナンノのまま、私の中に今もいる。

それだけではない。
そんな気がしてもっと考えてみた。


💡✨

あったのだ。
理由が。


  明菜さんを尊敬していたナンノ


ここにたどり着いたらストンと腑に落ちた。
ナンノと明菜さんには共通点がある。
だから二人とも好きなんだ。

ナンノはインタビューでも何度も明菜さんの仕事に対する姿勢、向き合い方を例えに出していた。

当時は音楽番組で共演することが多かったナンノと明菜さん。
先輩である明菜さんのカメラの順番や、照明の位置、共演者の衣装に応じて当日に変更すること。それは番組全体のことを考えてのこと。
自分だけが目立とうなどと思わない。
テレビで観ている全国の人たちへ最高のエンターテインメントをお送りしたい一心で、ストイックに、思ったことはスタッフに言う。
言うだけじゃなく自分も黙って努力する。
このプロ根性を見習わないと生き抜いていけないと教わったとナンノは語る。

明菜さんはセルフプロデュース能力に長けていて、振り付けも衣装もセンスが頭ひとつどころかふたつ、みっつ、ずば抜けていた。

ナンノも明菜さんのこだわりに影響を受けて自分で衣装をお直ししたという。



    アルバムのコンセプト


ナンノのアルバムのタイトルがなんとなくだが昔から気になっていたことに気づく。
あまり、深く考えないできたが、ここで並べて考えてみた。

やはり、ナンノにはただならぬこだわりがあった。

まず、発売された順番にタイトルと意味を並べてみる。

1•「ジェラート」…イタリア語で「凍る」。アイスのあのジェラートであろう。
2•「VIRGINAL」…純潔、うぶ
3•「BLOOM」…花、花盛り
4•「GARLAND」…名誉、勝利のしるしに贈られる花輪、花冠
5•「GLOBAL」…世界的規模
6•「SNOW FLAKES」…雪片、つまり唯一無二の独自性
7•「GAUCHE」…不器用、ぎこちない
8•「Dear Christmas」…クリスマスへ…
9•「Gather」…集める、寄せる
10•「夏のおバカさん」…(全曲ナンノ作曲)

オリジナルアルバムを発売順に並べてみました。
この10枚。
最後の「夏のおバカさん」を除いて全て英語。
そして、きっとその当時のナンノ自身の心境ではないだろうか。
一貫して英単語をタイトルにすることをデビューから考えていたのかは断言できないが、響きやその時々で決めたタイトルではないのは一目瞭然である。これはすごいことだと思う。


そして、明菜さんのアルバムも同じく並べてみたい。

1•「プロローグ〈序章〉」
2•「バリエーション〈変奏曲〉」
3•「ファンタジー〈幻想曲〉」
4•「NEW AKINA エトランゼ」
5•「ANNIVERSARY」…記念
6•「POSSIBILITY」…可能性
7•「BITTER AND SWEET」…苦くて甘い
8•「D404ME」…諸説ありだが、作中の倉庫番号
9•「不思議」…音楽史に残る実験的作品。まさに不思議。
10•「CRIMSON」…深紅

とりあえずナンノと同じ10枚でとめておく。
明菜さんはシングルはもちろんだが、本人も公言していることだがアルバムの世界観は特に大事にしていると。いわゆるアルバムアーティストでもある。
曲順、曲選、そして、アルバムはひとつの物語だからと大胆な挑戦もされている。

明菜さんとナンノのアルバムには明菜さんを追いかけるナンノのプロとしての信念が感じ取れるのは気のせいではないと思う。ナンノはコンサートでもまだ続けたい理由に諦めたくないことをあげている。悔しいじゃない?と。ナンノの中でなにか思うことがあるらしかった。このままでは終われない。それまでは石に齧りついてでも負けずに続ける気概を感じた。

一流の背中を追いかける。
ナンノは強く芸能界を歩んできた。とても辛いことも乗り越えてこられたであろう。なんのこれしき!と、負けず嫌いで頑張り屋のナンノはたくましく舞台に立ち続けた。
その前方をきっと明菜さんが走って道標になってくれたのだと信じたい。

互いの速度は違っても、待っている人が沢山いる。
時代がかわっても、このお二人には離れることのないファンが大勢いる。
きっとこのお二人のファンはどこか似ている。
みんな優しい。
きっとその真っ直ぐな人柄についてくるファンも尊敬しあっているのだと思う。

ナンノもきっと明菜さんの「北ウイング」を待っている。













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