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【エッセイ】厄年なんか怖くない

〽あなたもおーおかみにーかわりっまっすっかー?

石野真子さんの「狼なんか怖くない」がぴったりでしっくりくる1日だった。

タイトル通り、厄年なんか怖くない!

それは希望的観測と斜に構えたダークサイドに片足つっこんだ私の精一杯の抵抗である。

なんのこっちゃな前置きはそろそろここまでにして、本題へ。

あ、一応厄年にビビっているバージョンの記事も貼っておきますのでよろしければ。


一週間ほど前からどうも胃腸の調子が悪かった。

それはたいしたことではない症状だった。
別に嘔吐が止まらないとかでもない。というより嘔吐すらしていない。
ただどれもこれも軽い胃腸の諸症状が長引いていた。

それに年が明ければ本厄スタートというタイミング。
え!?これってもしや!?
既にフライングゲットなのか!?

と、持ち前の神経質がうずきだしていた。
不安は不安の連鎖を呼び込む。リングの呪いのビデオのように。

昔から胃の調子が悪くなれば胃がんでは?!
喉の調子が悪ければ咽頭がんか?!食道がん?!など、すぐに癌へ結びつけてしまう悪い癖があった。
悪いパターンを想像して支配される。
それは俗に言う「病気不安症」に該当するのだが、もうパニック障害とも長い付き合いなわけで、そんな名前が付いた神経症などにふりまわされる山羊ではもうないのだとネガティブなモヤモヤを振り払ってはいた。

それでもやっぱり胃の調子が回復しない。
えーい!とっとと病院でみてもらった方が清々するわと今日胃腸内科を受診した。

院内はもうすっかり冬の装い。
昔ながらのストーブの上にお湯の入ったやかんが置かれ蒸気が上がっていた。
病院に来てほっこりするのもおかしな話だが、なんだか祖母の家に遊びに行った時のことを思い出していた。あと学校味があった。

触診や問診、私の苦手な口を開けて銀のヘラでアーーン…は、ライトだけで済んだのだが、その結果はなんてことはない風邪ぎみ…ということだった。

厄年のことなどの世間話をした後、胃腸風邪の漢方を処方してもらった。

先生も言ってたが厄年は個人差はあれ体の変わり目なのだと。
厄払いを近々予約した身として、むしろ厄年(中でも最強で最凶で最恐の本厄)に人生のラッキーポイントがやって来ないかと期待している。
そして、私が厄年なんか怖くないと証明したいのだ。

ふと、思ったのが厄年って七五三を省いても人生に二回に分けて訪れること。しかもそれぞれに前厄、本厄、後厄と三年に渡り厄という名の十字架を背負わされることかける二度なわけであわせて六年間も「厄」に縛られこじつけられるわけである。

なんて姑息な厄年。
適当に大まかなことを言って都合よく修正していく占い師の手口に似ている。

そんな六年間もあればなんらか該当する不幸が起こるだろうに。
厄年め、保険をかけおって…
と、目には見えない敵にブーブー文句たれていたというなんとも情けない1日だった。

事実今現在、私は前厄真っ最中だったのだ…。
前がついても厄は厄。
この胃腸の不調も季節の変わり目や自律神経云々とか、そんな問題じゃなく、厄のせいにも出来るわけなのだ。しないけど。

もうすぐだが年明けスタートの本厄になんか負けないんだからな!と勝手に闘志を燃やしている自分が滑稽でもあり、そこに「狼なんか怖くない」が「厄年なんか怖くない」に変換されて私を無駄に鼓舞するのであった。

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