『棚からぼた餅』がどういう状況か真面目に推理してみた
『棚からぼた餅』の由来
『棚からぼた餅』の由来を調べてみると、昔は甘い物が貴重品だった頃に棚からぼた餅が落ちて眠っている人の口の中に入るという意味だそうだ。
こっからはどうしてこうなったか検証してみよう。
季節は春
昔のイメージはなかなか難しいので現代であると仮定する。
まずぼた餅を作るのは基本的には節分の日だ。しかも春。秋だとぼた餅ではなくおはぎに変わる。
他の日にも食べたかったら作ったり、買うこともあるだろうがぼた餅という以上春辺りには間違いない。
ぼた餅は置き物か
ぼた餅が口に入ると幸運を感じるのだから、そのぼた餅は本物だ。置き物のぼた餅ではあり得ないということだ。
棚の高さ
なぜ棚の上にぼた餅が置いてあるのか。そこを考えたい。
普通は棚の上に置かない。ということは不自然な行為ということになる。
それか何かの事情で棚の上にぼた餅を置かざるを得ない事情があったかだ。
そしてまず考慮しなければならないのは棚の高さだ。
手に余裕で届く高さからぎりぎりの高さまである。
棚の高さからその状況が変わる。例えば低くて棚の近くにいたとすれば、地面に置くのが嫌で棚の上に置いたとか、高かったらぼた餅を隠すために置いたとか考えられる。
これはなかなか難しいので少し後回しをしよう。
ぼた餅の落下
これこそ理系の真骨頂である落下の話だ。諺の由来から察するに誰かが故意に落としてはいない。つまり、自然に落ちたのだ。
では自然に棚から落ちるとはどういう時か。わざわざぼた餅をぎりぎりに棚には置くまい。
ということはどういうことか。
本来自然に物が横に動くというのはあり得ない。
動物が力を加えたのか。ぼた餅はなかなかの質量だ。少し考えにくい。
そうなると自然の力が加わったのだ。
自然の力とは何か。初歩的に考えると、横に物が動く時というのは振動の時だから、つまり地震である。
震度1や2ではないだろう。
棚から物が落ちる時を想像してほしい。
そんな震度でないことは分かる。
幾らかは不明だがそこそこの震度だろう。
そして地震により振動して動いたぼた餅は無事落下し、口の中に入る。
棚からの距離
とはいえ棚の方に足を向けて寝ると、部屋の大きさから考えてそんなに大きい棚は置けないかららぼた餅は口の中に入らない。
ということは棚側に頭を向けなければならない。
そして普通は棚のすぐ近くに頭はないから、せいぜい30cmぐらいの距離だろうか。
地震が起きて横にぼた餅が移動する。初速度は0.01m/s(=1cm/s)だろうか。そしたら、
0.3÷0.01=30s
棚から口の距離までくるのに、実に30秒もかかる。
そうすると棚の高さは、
1/2×9.8×30^2=4410m
となる。あり得ない。
もう少し初速度を速めて0.15m/s(=10cm/s)とすると、
0.3÷0.15=2s
となり棚の高さは、
1/2×9.8×2^2=19.6m
となる。それでも駄目だ。
となると棚を横にして寝るしかないのか、いや肩幅が邪魔で厳しい。
地球上ではない
地球上で考えるから重力加速度g=9.806に依存してしまう。
例えばg’=1.634とする。そして棚と口との距離を30cmにセットして初速度0.15m/sとする。
1/2×1.634×2^2=3.27m
となる。かなり高めの棚だがあり得る数値になった。
g’の重力は一体どこの星のことか。
それは月と同じ重力加速度だ。
では初速度を変えるとどうなるか
あくまでぼた餅は地球上しかも日本の文化なので、日本に戻す。
一般的に大きい棚だとして2mとする。そして棚から口までの距離は30cmとする。
なら初速度は?
vt =0.3 ⇔ 0.3/v=t
1/2×0.09/v^2=2
v^2=0.225
v=0.474m/s(=47.4cm/s)
となる。1秒に47.4cm進めば可能だ。
しかしそんな地震はこの日本にはない。
前提が間違っている?
自然と思っていたのが間違いかもしれない。
もしかしたら気づかぬまに人為が働いていたとしたら?
つまりどういうことか。ぼた餅を初速度47.4cm/sで押す機械があると考える。
そうしたら47.4cm/sの謎も解けるし、棚にぼた餅を置いた理由も分かる。
つまり“いたずら”だ。
そうなると数々の不思議な点が一つに結びつく。
なぜ眠っているのか。
考えてもみてほしい。なぜその人は眠っているのか。そしてぼた餅が棚の上にあって寝られるだろうか。
まず眠っているということはほぼ間違いなく夜だ。
仮に眠れたとしても口に横の速度47.4cm/sが入るのだ。衝突と言ってよい。
ぐえっとなるのは必至だ。わざわざそんなことするとは考えにくい。
実験か。ならそうだとしても少々しんだい。
工学系の人間のいたずら
恐らくこの機械を作ったのは工学系の人間だろう。
そうでないとなかなか作れないはずだ。
しかも赤の他人がこんないたずらするのは考えれない。友達か家族だろう。
まとめ
つまり『棚からぼた餅』は、春の季節の夜に工学系の人間が“いたずら”で棚の上にぼた餅落下装置を置いて、眠っている人間の口の中に地面に水平の初速度47.4cm/sをぼた餅に加えて落下させて口の中に入る、ということだ。
人為的にしても奇跡的なことなので、幸運を呼ぶかもしれない。
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