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経済格差と高齢化社会 ホームレスと父 亡き父は自分の身体の一部になる  

⬛︎父を亡くしたという友人達の様々なエピソード 

まだ49日まで到達していない最中、父を亡くしたという友人達のエピソードをいろいろ聞いているとなんだか気持ちがだんだん落ち着いてきた。皆が等しく経験するということもそうだし、それぞれの最期がある中で、 
いつしか自分の身体の一部になってからはいつも見守ってくれているのかな?私の事を、、、 
という話は割と皆共通してある話で、、、 
なんだかホッコリした気持ちになれた。亡き父をパートナーに重ね合わせる気持ちだったりとか、人それぞれに父が新しいカタチで自分の事を見守ってくれているのかと思うと魂になる、という事も良いのかもしれない、と思えるようになった。 
生きている時は様々な事でもがき苦しむが、魂になると全ての感情が無になる。実態のないものになる。星になるという話も聞いた事があるが、なんかその感じ、、、わかる気がする。 
輪廻転生して動物になったり、虫のような生命体になったり、はたまた人間をやりなおすかもしれない。そんな風に家族と話す時間も想像力が活性化されて死を悲観的に考えなくなった。

⬛︎生き様を振り返る
 
父がこの世を去った事をきっかけに近所の回覧板で回ってくるご近所に住まいの方々の訃報、、、今年の夏は暑かったせいか、1週間に何人もの人が亡くなっているではないか、、、知らなかった。葬儀のお知らせも回覧板で回ってくるが、その日は友引かどうか、も意識するようになった。火葬は友引にはできない、という事も初めて知った。我が家はいたってシンプルな直葬という御葬式スタイルで、一番お金がかからないが、心や気持ちはこもっている事は自信を持って言える。   
これから御葬式を考える必要がある方々も、気持ちがこもっている葬儀は良い。お金をかければ良いかといえばそうでもないよ、自分らしい御葬式ができれば魂は喜んでもらえるよ、と伝えられたら本望。 
チベット法具が我が家にはたくさんあって大切に使用している。何故たくさんあるのかというと近所の雑貨屋さんが火事になってしまい、そこにあったたくさんの雑貨を廃棄する前に持って行って良い、と言ってくれたのでたくさんのチベット法具を頂き、それを大切に今でも使っているからだ。
店舗廃棄を区の制度を利用すると、民間の廃棄業者より50万近く安く済んだ、との事で区の制度の利用の仕方を案内してあげたのだった。お世話になった雑貨屋さんの力になりたかったし以前火事を経験した事のある自分の知識を役に立てたかった。 
おかげ様で安く済んだと喜んでもらえたし、私がいつくか手持ちで持って行った為 
廃棄せずに燃えさかる火から逃れた雑貨は今でも使用しているし、経験が世のため人のためになって本当に良かった、、、 
もう何十年も前の話なのに、そこの雑貨屋さんから貰ったチベット法具はいろいろな場面で役に立っている。 
祭壇はオリジナルの祭壇を設けた。 
父の隣に飾ってある仏像は以前、父のお店に来ていた河川敷に住むゴミ拾いの仕事をしてうちの店に買取にやってきた木村君が拾ってきたクメール式の観音像が鎮座している。 
この観音像は父の為にわざわざ何十キロも歩いて買取にやってくる木村くんからの品。木村君と言っても50代〜60代くらいの人でいつも店の入り口でたんぱ放送のラジオを聴きながら父を待つ。私が代わりに店を開けていた時は一切入ってこない。父に一番に拾ってきたモノを見てほしいのだ。そんな木村君と父は仲良しで、木村君の拾ってきたものがとんでもなく高価なカメラや時計もあったそう。そんな木村君はエースと言われていた。 
ある日木村君に新しい洋服をあげたら羨ましく思った他のホームレスに盗まれたりしたりと、木村君の生活を羨む路上生活者もいたそうだが、木村君は最後まで父の側を離れなかった。ある日随分木村君が現れない日々が続き、どうしたのか?とふと思うとお店宛に警察から連絡があった。河川敷で息を引き取った死体から父の事が書いてあるメモ帳が出てきてその宛先に連絡したのだそうだ。そこには今までありがとうと精一杯の感謝の気持ちが記されていた。 
木村君が持ってきた観音像を咄嗟に見つめた。 
もう逢えないのかと思うと寂しかったけど最期に想いを伝えてくれた事や私が喜ぶ神様像をたくさん持ってきてくれて、、、涙で観音像が揺らいで見えた。


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