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成果だけに目を向けるのではなく、その土台に注目する

人はしばしば「成果」や「成功」という目に見える結果に目を奪われがちです。もちろん、結果を出すことは重要であり、多くの場合、それが評価に直結します。しかし、結果だけを追い求めるあまり、長期的な成長や安定した成果を生むための「土台」を見失ってしまうことがあります。ここで言う「土台」とは、その人のものの見方や在り方、さらには人生に対するスタンスです。

私は普段、お金の相談、法人の採用や人材育成、個人の人生相談など、多岐にわたる相談に応じています。ときには手を動かし、一緒に問題を解決することもあります。(ライフプロデューサーとでも名乗ろうかしら)

今日は、仕事をする中で感じてきたことをまとめてみようと思います。結論はタイトルの通りですが、結局、皆が抱える問題も、解決への意欲も根本は同じです。「今の状況をどうにか改善したい」「成果を上げたい」という思いは、どのジャンルでも共通しています。しかし、理想通りに物事が運ぶ人もいれば、そうでない人もいるのです。

成果とは何か?具体的なイメージ

成果と言っても、その形や規模は人それぞれです。たとえば次のような例が挙げられます。

  • 転職活動の成功
     転職先を見つけるだけでなく、キャリアの意義や自分の価値観を深く理解し、日々の仕事に満足感を得られるようになることで、転職後の充実した生活につながる。

  • お金の扱い方の改善
     単に貯蓄を増やすのではなく、支出の優先順位やお金の意味を見直すことで、日々の安心感や充実感を感じられる生活を手に入れる。

  • チームの生産性向上
     生産性を数倍にするだけでなく、メンバーが互いに信頼し合い、協力することに喜びを感じる職場ができる。結果、目標達成だけでなく、離職率の低下や職場の安定性が向上する。

これらの成果には、単なる結果以上の「根本的な変化」が伴っています。多くの人がこのように何かしらの壁にぶつかりながらも、問題を解決し前に進んでいます。しかし、最終的に成果を出せる人とそうでない人がいるのです。その違いは、目先の結果だけにとらわれるのではなく、「土台」に目を向ける姿勢にあるのではないかと感じます。

成果を生む「在り方」の違い:ある会社でのエピソード

ある営業の場面でのことです。AさんとBさんの二人は、それぞれ顧客に提案を行う機会がありました。

Aさんは「顧客が真に求めていることを理解し、そのニーズに応える役立つ提案をしたい」という在り方を大切にしていました。そのため、Aさんは顧客の要望を丁寧にヒアリングし、真剣に顧客の視点に立って、最も適したプランを組み立てました。結果、提案内容は顧客のニーズにぴったりと合致し、顧客からも信頼され、満足のいく契約を結ぶことができました。

一方、Bさんは「どの提案が確実に契約につながるか」という方法論に意識が向いていました。Bさんは自分が学んだ提案のノウハウや営業手法を使って、最も効率よく契約を取れるよう準備しましたが、顧客のニーズや背景を深く掘り下げることにはそれほど時間を割きませんでした。結果として、Bさんの提案は表面的には良く見えたものの、顧客の本当のニーズに応えられなかったため、契約にはつながりませんでした。

保険業界は圧倒的にBが多いので本当に悲しい。
なんなら保険会社がそういう教育をしちゃっている。表向きではAを謳ってるけど。

このエピソードからも分かるように、Aさんは在り方に基づく行動を通じて、顧客との信頼関係を築き、より良い成果に結びつけることができました。それに対し、Bさんは方法論にとらわれた結果、目先の成果を重視するあまり、顧客の期待に応えられなかったのです。

短期的な成果にとらわれず、長期的な信頼と成果を築く「在り方」の重要性

多くの人が「成果を出すにはどうすればいいか?」とノウハウや手法ばかりに注目しがちです。たしかに、こうした方法論を活用することで短期的に成果を出せる場合もあります。保険業界でも、9割以上の営業が「売るためのテクニック」を使って一定の結果を出しているのも事実です。しかし、長期的に見れば、こうした方法論だけに頼ったやり方では、次第に顧客からの信頼を失い、安定した成果にはつながりません。

育成の場面でも同様です。たとえば「アイスブレイクの方法」や「ヒアリング・提案の仕方」といった表面的なスキルを教えるだけでは、部下は形だけの「やり方」を学ぶにとどまります。こうした手法だけに頼る指導では、単なるルーチンになりやすく、成果が持続しにくいのです。本当に伝えたいのは、その手法の背後にある「なぜこの対応が必要なのか」「顧客が求めるものは何か」という在り方です。これが伝われば、社員は単に指示をこなすだけでなく、状況に応じて自ら考え、自然に対応できるようになります。

在り方が根づいていれば、行動に一貫性が生まれ、顧客との関係も深まります。これこそが、長期的な成果と信頼を築くために欠かせない「土台」となるのです。

在り方が成果を最大化する鍵となる

成果を最大化したいときや、社員を育成する場面では、表面的なやり方に固執せず、在り方に焦点を当てることが欠かせません。Aさんが「顧客の役に立ちたい」という在り方を大切にしたように、しっかりとした在り方があれば、それに基づいた自然な行動が生まれ、結果として大きな成果につながります。

これは、お金の相談でも仕事の成果でも同じです。貯め方や増やし方といったテクニックも重要ですが、本当に大切なのは「どんな人生を生きたいのか」という在り方です。(お金関連のブログでも書いたので興味のある方は見てね)

どんなに優れた方法でも、在り方がしっかりしていなければ、一時的な結果にとどまってしまいます。最終的には、目の前の課題を超えた「在り方」が、豊かで満足感のある人生や仕事に結びつくのです。


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