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夢を見続ける勇気

ただ、ぼーっと日々を過ごしていれば、平和だったなのかな

と、今更思う。4月になり、40代半ばにして大学院生になった私は、そんな甘いものじゃなかったと悟る。学部と違って、授業毎に課題が出され、ゼミでは毎週発表があり、人生初のパワポと格闘しながら、かといって仕事もあるし、年齢的に徹夜するとほんとうに無理だから、23時から2時に寝て、朝まで課題をやりそのまま仕事にいくこともある。

毎日、仕事から帰ると、だらだらネットフリックスを観ながら、ワインの栓を抜き、調子がいいと1本開けてしまう日々だった。平和で、何も困ることもなかった。ただ、何かしたいのに、何もしていないという、心の片隅に何かが爪を立ててはひっそりと傷をつけていくだけだ。大きな傷ではない。でも、それがひっかかって、なんか笑えなくなってきちゃって。

そんなある日、大学院へ進学する、という新しい目標に出会う。すんなり進学先も研究室も決まり。もちろん進学を決めた時点で、進学そのものが目標ではなかった。それでも、その後、どうするのか、は考えずに進学した。仕事は続ける前提だったから。

でも、どうするの。というより、どうしたいの。

人生って、ひとつじゃない。選択肢が、こんなにあると、思っていなかった。結婚と出産をとばして、海外で子育て。別居、姑、とへて、またひとり。そりゃ、持て余すよね。でも、持て余していたら、だめなのだ。

持て余した私が、ハマったのは、ランニングだった。たまたま東京マラソンに当選して、職場の人が応援してくれて、定期的に走るようになった。最初は、走るのが楽しくて、それだけで、人生がぐっと意味のあるものに思えるほど充実した。大人になってから、誰とも競わないのに、成長が感じられるアクティビティなんてなかなかない。1キロ走るのに、6分半が6分になり、5分半になり、ハーフマラソン2時間を目標に、その先にあるフルマラソン4時間が達成できれば、一人前となる。幸いなことに、長時間何も考えずに走るのが性に合っていたらしく、近所の大きな公園の周回コースを飽きもせず走り続けている。

そして、その先がまだあるのだ。その先には、サブ4(フルマラソン4時間切り)、3.5、3と続くだけだと思っていた。どうしたらより効率の良い体づくりができるのか、などとよく考えていたのだけれど、それは他のランナーの皆さんも同じだと思う。しかし、管理栄養士として、体のことに、人一倍興味のあった私は、一歩踏み出してしまった。故障して通っていた、接骨院の担当トレーナー氏がわたしを見込んで、あれこれ質問してくれたことがきっかけで、スポーツ栄養学という専門分野があることに、気が付く。そして、それは大学院でも学べるのではないかと背中を押してくれる人もいたり、あれよあれよ、進学を決意。

そこからは早かった。決意して調べ始めたのが7月。8月には出身校の先生や接骨院の院長先生に相談、9月10月は出願条件などを調べ、11月に絞った進学先の研究室訪問、12月に受験、年内に合格発表。人生は、変えられる。

「何か、形にしたい」

その思いを持ち続けて、資格取得、起業とずっと試行錯誤し続けていたけれどなにひとつ形にならずとも、前を向き続けていた強さはあったのかも。10年くらいかかったけれど、やっと私の思いを形にする方法と出会えた。人それぞれ、合った方法があり、それは無限の選択肢だ。

だから、夢は見続けた方がいい。

叶わないかもしれないけれど、夢に挑戦できるチャンスは巡ってくると思う。スポーツ栄養を専門的に勉強したあとは、やはりスポーツをする人たちの栄養サポートがしたいと考えていた。対象は特に考えていなかったものの、最初に私にいろいろと聞いてくれた、接骨院の担当トレーナーの活動先である高校のサッカー部の栄養サポートは最初のイメージだったから、そういうことができたらいいと思っていた。するとなんとフリーのスポーツ管理栄養士と研究室同期になり、彼のやっている高校サッカー部の栄養サポートを手伝わせてくれるという。

急がば回れ。


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