社会を研究するに至る背景を知った『社会学講義』【ブックレビュー】

基本情報

タイトル:社会学講義 (ちくま新書)
著者:橋爪大三郎
出版社:筑摩書房
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なぜ読んだ?

2020の夏頃、社会学を学んでみたいと思っていたとき、図書館でこの本を発見し、借りた。だがその際は読むに至らず返却した。
その後千葉雅也『勉強の哲学』を読んだら、学び方の実践例として社会学を学ぶことが取り上げられており、これをきっかけとしてまた「社会学の入門書を読もう」という気持ちが生じた。このため、本屋でこの本を購入し、読むに至った。

感想総論

社会学の各テーマについて別々の社会学者が述べている。
社会学の内容はもちろん書いてあったが、それよりもメインとしてモチベーションや研究するに至る背景を知ることができたと思う(教科書ではなく入門講義なので)。
我々が当たり前だと思っている現代社会を相対化していくのが大変面白い。
6章の社会調査論は、研究するとはどういうことが、調査とはどういうことかという他分野にも応用できる一般的な内容を読むことができて面白かった。

読書メモ

社会学では、還元論的にではなく、人間の関係を研究。

データの処理、データの解析、データの解釈
データ解釈のパッケージ化、他者の理論に依拠した論文生産

社会学は常識の下に潜るタイプの学問。ちなみにこのタイプの極致として哲学がある。
「社会秩序はいかにして可能か」

177「比較研究のためには共通の定義が必要」という発想それ自体が、現象面の多様性に対してアカデミズム内の既存理論の認識枠組を押しつける、本末転倒なものだ

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