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観光地の裏側:ハワイと函館を比較してみた

私は鮨屋を開業して21年が経ちました。2003年に「鮨ひろ季」を開業して順風満帆に今まで営業を続けられた。

昨年は、コロナ融資と呼ばれる不意に借りることになった3000万円の融資も全て返済した。今は無借金になったのが心から晴れ晴れしい。
飲食店でコロナ融資を返し切れたのは奇跡かもしれない。
だけど、協力金と言う名目で国からお金が振り込まれた都心の飲食店は借金なんかしたのだろうか。(詳細は当人たちがほとんど口にしないので分からない)

地方の飲食店なんか、協力金をもらえる期間もわずかで補填にもならなかった地域も多く存在する。今までたくさん悲惨な話を聞いた。普段ならしなくても良いはずだった借金を抱えてしまう企業も増えた。

私の店がある函館市は北海道南部に位置し、その歴史的建造物、美しい夜景、そして独特の文化で知られています。函館の魅力は多岐にわたり、訪れる人々を魅了し続けています。しかし、魅力的な面だけではなく、人口減少という課題も抱えているのが現状です。

まず、函館市の魅力の一つに、その美しい夜景が挙げられます。
函館山からの夜景は「世界三大夜景」の一つとも称され、その壮大な光の海は多くの観光客を惹きつけてやみません。

また、歴史的建造物が多く残っており、特に異国情緒あふれる元町地区は、歩いているだけで異国にいるような錯覚に陥ります。函館朝市では、新鮮な海の幸を楽しむことができ、訪れる人々にとって忘れられない体験となるでしょう。


一方で、函館市は人口減少に直面しています。これは、高齢化の進行と若者の都市部への流出によるものです。高齢化が進むと、地域社会の維持が難しくなり、地元経済にも大きな影響を及ぼします。若者の流出は、地域の活力の低下を招き、将来的には人口のさらなる減少を加速させる恐れがあります。これらの課題に対処するためには、地域の魅力を再発見し、若者が地域に留まり、また新たに移住してくるような環境を整備することが重要です。

人口減少は、地方都市や地域社会にとって深刻な問題です。特に、地方の小規模都市や町村では、この問題が企業活動に大きな影響を及ぼしています。人口が減少すると、消費者の数が減り、地域経済が縮小するため、企業の経営基盤が脅かされます。このような状況では、企業が成り立たなくなるという深刻な結果に直面することもあります。倒産率の増加、更に他県への転居が後押しされていきます。


まず、人口減少は市場の縮小を意味します。消費者の数が減少すると、商品やサービスの需要が下がります。特に地方都市や町では、地域内での需要が大きな収益源となっている企業にとって、この影響は致命的です。小売業やサービス業、地元の製造業など、多くの企業が直面する困難は、ただでさえ厳しい経営環境をさらに悪化させます。

次に、労働力の減少も重大な問題です。人口減少は特に若年層の減少を伴いがちで、これにより企業は労働力不足に直面します。特に技術や特殊な知識を要する業種では、適切な人材を確保することが難しくなり、企業の成長や維持が困難になります。また、労働力の質の低下も懸念され、企業の競争力を低下させる要因となり得ます。

これが今の函館です。

函館は観光地として魅力的な街ですが、実は観光地は働く人の収入の低さも問題点だと考えられます。

ハワイのような観光地では、美しい自然環境と充実したレジャー施設が訪れる人々を魅了し続けています。観光業はハワイ経済の重要な柱の一つであり、多くの雇用機会を生み出しています。しかし、この輝かしい観光業の裏側で、働く人々の収入が低いという問題が存在します。観光産業に従事する労働者の中には、生活費の高いハワイで、低賃金で働かざるを得ない人々が少なくありません。

観光業は、ホテル、レストラン、アクティビティガイドなど、様々なサービスを提供する事業から成り立っています。これらの仕事は、多くの場合、季節的な需要の変動が大きく、不安定な雇用形態が一般的です。また、サービス業特有の長時間労働や、休日出勤が求められることもあります。にもかかわらず、提供される賃金は低く抑えられがちで、特にフロントラインで働くスタッフは、生計を立てるために複数の仕事を掛け持ちすることも珍しくありません。


また、観光業に依存する経済の構造を多様化させ、他の産業とのバランスを図ることも重要です。これにより、地域経済が一つの産業に依存するリスクを減らし、より安定した収入を生み出すことができます。教育や研修プログラムを通じて、観光業以外の分野でのスキルアップを支援することも、労働者がより良い職を見つけるための一助となります。

観光業が地域経済に貢献する一方で、それが働く人々の生活向上に直結しない現状は、再考と改善が求められる重要な課題です。経済発展と社会的公正を両立させるための取り組みが、これからの観光地の発展において中心的なテーマとなるでしょう。


kindleで鮨屋についてかいた書籍をリリースしています。

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