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世界にはパンがおいしい国と、そうでもない国がある

世界にはパンがおいしい国と、そうでもない国がある。
そう聞いたことがある。

たとえば前に私が住んでいたベトナムは前者だろう。
フランス領時代の影響で、おいしいフランスパンが安く売られていて、
肉や野菜などをはさむ「バインミー」はいまや人気のベトナム料理の一つに数えられるほどだ。

フィリピンはどうか。
私は、フィリピンは「パンがおいしい国」だと思っている。認定。

土曜日の朝、8時過ぎに家を出て、
歩いて5分ほどのところにあるパン屋さんに向かった。

朝はパン パンパパン!

と機嫌よく歌いながら近所のバランガイ(区)を通る。
住人たちは、はき掃除をしたり、肉を並べて売ったり、
おとなりさんとおしゃべりをしている。
朝早いフィリピンの人たちのことだから、もう朝食はすませてしまっただろうか。

道路沿いのパン屋さん。店先で食べる人も

パン屋につくと、ガラスケースの中にパンが並んでいた。
「パンデサルを4つください」
注文すると、おじさんが「パンデサル4つ!」と店の中に叫んだ。
焼きたてをもってきてくれるようだ。

パンデサルは「塩のパン」という意味だ。スペイン語からきている。

フィリピンでは、スペイン領だった16世紀からなじみのパンだという。
塩のパンという割にほのかに甘く、食事のおともにしやすい。

フィリピンの人は食事どきにお米をものすごく食べるが、
朝食はパンデサルという人も多い。
日本に暮らすフィリピン出身の人のなかにも、パンデサルを懐かしむ人たちがたくさんいる。

シンプルなパンデサル

「これはなんですか」と別のパンを指さすと「チーズブレッド」だという。
それも一ついただくことにした。

店員さんがやってきて、私に4つ、隣にいた小さい男の子には20個ぐらいパンデサルが入った袋を渡した。
家族との朝食用に、おつかいによこされたようだ。

5個のパンで18ペソ(約45円)だった。
フィリピンのパンは一つ6ペソとか、10ペソとか、とても手に入れやすい値段だ。
それにしても価格高騰の折、安すぎないかしら。

部屋に戻ってコーヒーをいれ、パンを食べる。
そのままでも甘みがあり、チーズやツナなどと合わせてもおいしい。

最近のお気に入りパンデココ

おやつパンもおいしいものがいろいろ。
ガラスケースに並んでいて目移りしてしまう。
ちょっと甘すぎるものもあるが、
私の推しはココナツパン(パンデココ)。
ココナッツのジャムのようなものが中に入っています。

ピーナツのパンも

日本はパンのおいしい国だろうか。
身びいきだけど、相当おいしい気がする。

マニラにも日本風のパンを売る「くもり」という店がモールなどにある。
メロンパンなどもあるが、7個ぐらい入って80ペソの、甘いお食事パンがぶっ倒れるほどおいしい。
たまにおなかがすくと、一人でやけ食いしてしまう。

コロンにあったかわいいパン屋さん

パンのおいしい国とそうでもない国がある、という話をしてくれたのは、
タイに住んでいた先輩だった。
タイの人におこられそうだけど、先輩にいわせればタイは後者だという。

タイといえば世界屈指の美食の国だが、やはり稲穂の国というのか、
米文化が強いためではないかという。
フランスやスペインやアメリカなど、小麦をつかう食文化の影響をうけた国と、状況がちょっと違うのかもしれない。

マニラの店、スペイン語の影響がみられる商品名

とはいえ、大都会バンコクなどでは、きっと様々な種類のおいしいパンが並んでいるのではないか、と想像している。
ご存じの方はぜひ教えてくださいね。

そうそう、そういえば。
タガログ語ではパン類を「ティナパイ」というが、
パンデサルなどは日本と同じ「パン」。
ポルトガル語やスペイン語の影響なのでしょう。

かわいいね、パン。

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