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日本と海外の小学校でのダンスの授業を比較して考えたこと


小学校の体育の授業の資料に目を通しつつ、「どうかな〜?」と考えを巡らせる日々。
私の非常勤講師としての担当は、ダンス、表現運動、体づくりの体操になるわけだが、日本の小学校の表現運動の指導案は、私が海外の大学で学んだ、ダンス教育のカリキュラムとはかなり異なっていたのだ。

インターネットの普及や海外留学派が日本でも増えているので同じような立場にある先生方も多いのではないだろうか?
そこで、このブログでは、私なりに体験した日本と海外のダンス教育を考察し、日本の小学校のダンス教育(表現運動)と私が学んだ英国でのダンス教育の折衷案を考えてみた。

ダンス教育の海外と日本の違いとは?

日本と英国の小学校でのダンス教育の目的の違いは簡単にいうと、
「体の動かし方」についての英国の方が強調されている点にある。

日本の小学校の表現運動の授業の目的はとても簡単にいうと
「子どもが興味をもち、友達と楽しく取り組みやすい題材(忍者になる、探検するなど)を用いて、自由にイメージして体を動かすこと」
が目的になっていて、題材からイメージして体を動かすことが重視されている一方

私が学んだ英国では、題材をイメージして体を動かすという点と、友人と仲良くダンスを楽しむという点は日本と同じだが、
もっと体育としての点が強調されていて、ダンスの動きを通して柔軟性、体力、バランス力などの身体能力と児童自身のパフォーマンスを高める
という点も授業の目的になっている。

それでなのか、英国(アメリカも)ではより体の動きにフォーカスした教育(ラバンムーブメントアナリシス)を小学校のダンス教育に取り入れているのだ。

体の動きにフォーカスしたダンス教育

ここで、ラバンムーブメントアナリシスについて簡単に説明すると
20世紀の初期にルドルフ,ラバンという人が開発した動きの分析方法で、特にダンスの動きを、アクション(動作)、空間、エネルギー、他者との関係性に分けて分析する方法で当時の舞踊譜(ラバノーテーション)の作成に用いられた。

私自身は、小学校の時に表現運動の授業を受けたことがなく、覚えているダンスといえば、フォークダンス(マイムマイムとオクラホマミクサー)だけ。

あと、高校の時にダンスの授業があったが、だいたいダンスを習っている子が、振付を考えて、他の子たちは教えてもらうということが多かった。

私はこの時点ではまだダンスを始めていなかったので、リーダーシップは取れなかったのだが…

そして、大学卒業後、英国のダンス学校に留学した時にこのダンスの動きの分析法を学んで、動きってこういう風に作るんだ!
と感銘したのを覚えている。

今までのダンスの授業で、イメージで動いて!と言われてもよくわからずにいた私は、この方法を知ってからダンスの創作がわかるようになり、楽しくなった。
なので、この方法を小学校の表現運動の授業でも取り入れたい。
具体的には?

英国のダンス教育を日本で活用するには?

英国留学前の私は「イメージから動く」というのが今ひとつ楽しめなかたのだ。
でも、この4つの動きの分析法を用いれば、4つの方法で動きを発展させることができる

例えば、「鳥が飛んでいる」イラストから、
空間(どこを?)を発展させて、飛ぶ空間を「高く飛ぶ」「低く飛ぶ」「直線を飛ぶ」など色々な空間を考えて体を動かすことができるし、

エネルギー(どんな風に)を発展させて、飛び方を「早くしたり」「遅くしたり」「テンポをつけたり」して、動き方で遊んでみることができる。

この方法では4つの指標を用いて、動きを発展させることができる。そうしていくうちに、自発的にいろんな動きを即興でできるようになる。

まとめ

自分が英国で体験したダンス教育をどのように日本の小学校の表現教育に活かせるかを考えてみた。
この記事で書いた動きの分析法というのは、日本のダンス教育では取り入れられてはいない。(私立では取り入れているところもあるかもしれないが)
海外のものがなんでも良くて日本が遅れているというつもりはないが、良いと思うものは伝えていきたいと思っている。

自身のブログでラバンムーブメントアナリシス(ラバンの動きの分析法)について書いています。参考までに




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