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ハンカチは持つけどビーチではトップレスな女

ハンカチを持つのは日本人だけだと思っていた。ちなみに私は持たない派だ。

ある老舗ゲストハウスに滞在中トーニャにあった。彼女は日本びいきで、ハンカチを所持し、メロンパンを愛していた。ちなみに彼女の論文のタイトルは「沖縄の基地問題」だ。この、清楚と大胆をお弁当箱に詰め合わせたような女はスロバキアの出身という。

ある日彼女はリビングの主になりつつある私に声をかけた。

トーニャ「Hi, わかこ 海にいきませんか?」

わたし「いいね。でも、車がありませんよ。」

トーニャ「大丈夫。これがあります。」彼女は親指を立てて微笑んだ。(このシチュエーションの、親指はヒッチハイクを意味する。清楚で大胆な女は無敵なのだ。)

ヒッチハイクをする時は必要な時だけ、親指を立てる。彼女の動きには何の無駄もない。あっという間に、車を捕まえビーチに到着した。

季節外れのビーチは人混みもなく静か、私達はたわいもない話しをした。

トーニャ「わたし、久しぶりにビキニの上をつけました。日本はどうして、ビキニの上を着なきゃいけないの?日焼けのあとがつくでしょ?It's  useless.」(私が男だったら完全に落とされ、毎日メロンパンを買いに行くところです。)

わたし「トーニャは何でハンカチを使うの?そんなの日本人だけでしょ?そもそも私は使わないよ。it's useless 」トーニャはまんざらでもなく、フフっと微笑む。

行きは、よいよいだったけど、帰りはなかなか車はつかまらなかった。交通量事態が少ない。もはやピンチかと思われたが、そこに、赤の古びたアメ車が止まった。万事休す。

トーニャは英語でドライバーと話す。(彼女は何ヵ国かはもや覚えてないがペラペラしゃべるマルチリンガルだ。)もし私が男だったら、思わず求婚して、こっぴどく振られるところでしたよ。まったく油断もスキもない。)

「わかこ。いきましょお!」

私たちは、意気揚々と車に乗る。拾ってくれたのは、ニックとカール。彼達はトーニャの姿をみて、外国でトラブルに巻き込まれた可憐な少女と思ったのだろうか。とにかくありがたい。

しかーし、この5分後に修羅場を迎えることは誰も予想だにしない。



「アメリカの基地に入るのは大変だよの巻」に続きます。

今日はこれでおしまい、和歌子でした。

とんでもないことでございます。