やまとなでしこ神話~かさじぞう~

大晦日なので「かさじぞう」について考えてみましたよ~。
英訳された本を近所の幼稚園で教材に使っていると聞いて驚いた、異国の園児が「かさじぞう」から学ぶものって何だろう?

お婆さんは、日本を代表する「やまとなでしこ」である。
年金もない時代になんの蓄えもない定職もなく優しさだけが取り柄のおじいさんと暮らしている。
大晦日になって、餅すら家にないと気付き、ようやく傘を編みはじめるお爺さん。
婆さんは、優しく寄り添い一緒に編み始める。

「じーさん。雪になりそうだから気をつけて。」

婆さんは、大和撫子代表として夫を気遣う。婆さんのいない間は、大掃除でもしているに違いない。いや、案外、昼寝して、じーさんの帰りを待っているかもしれないが、私の読んだ本には、じーさんが帰ると戸口で立って待っているとある。ハチ公もびっくりである。(仕方ない婆さんは大和撫子の鑑なのだ。)

「傘はいらんかねぇ~。丈夫な~あみがさはいらんかねぇ~」


傘は一つも売れず、売れなかったかさをしょって山道を引き返す途中、お地蔵さんに出会う。お爺さんは、傘をみんなお地蔵さんにあげてしまう、

それをきくと、ばあさんは、にっこりして
「それは、いいことを しましたなぁ。」

改めて読むとすごい婆さんだ。お地蔵さまより、婆さんこそ菩薩だな。こんなびっくり仰天のお婆さんのストーリーを輸出して大丈夫だろうか。こんな婆さんが令和の世の中にも存在するって思われたらと思うと心配だ。

「もちは なくても、びょうきも せずに、
いっしょに 年を こせるもの。
ありがたいねえ。」

「ありがたいねえ。」

悟りを開いたお婆さん。お粥食べて白湯のんで寝て、感謝してるうちに、そのまま、あの世にいっちゃうんじゃないの?だめよ。しなないでぇ😭

それで、この物語のメッセージは何なのか?

この物語の最後はあなたもご存知のとおりだ。

ありがたいねえといいながら、眠りにつくと夜な夜なおじぞうさんがマーチしながらやってきて、餅やお魚や野菜や着物やらを運んでくる。というストーリー。

さて、園児が、受け取ったメッセージは?

①「信心深い人はいずれ救われるからお布施をしよう。」ということなのか?(クリスチャンにも通じるね。)
②「日本には大和撫子が住んでいるから男たちは、夢をみろ。」ということなのか?はたまた
③「貧乏を恐れず、笑ってのほほんと暮らせ。」ということなのか?

この学校に通う子供に感想を聞いてみるとみると、
◯「いい話だなぁ。あーぁ。早く外で遊びたいなぁ。」
◯ そもそも覚えていない。

そりゃあそうだよねぇ。

ところで大和撫子神話ってどからくるのだろう。
移民の大和撫子の皆さんの方がストイックに日本人なのは何故たろう。お婆さんみたいに、のほほんと暮らすひとが、いないように、
おじーさんみたいに穏やかで平和な人っていないだろうね。
お似合いの二人だ。




二人はいい正月を迎えましたとさ。めでたし、めでたし、

赤 和歌子






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