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目をそらさないで、耳をふさがないで、自分の頭で感じろ!

わたしは辛いことがあると、眠る。頭がリセットボタンを押せというのだ。


先日、パスポートの切り替えがあったので久々に都会に向かった。
❤️

数年前、はじめてこの街を訪れてた時に、私はこの街に恋をした。
都市なのに自然があり、活気に満ちていまいた。

電車から降りて、キャリーケースを引きずりながら
緩やかな坂道を真っ直ぐ真っ直ぐひたすら歩いていたら、スーツケースがだんだん重くなってきた。

子なきジジイでも、入ってるんじゃなかろうかと、振り向くと、後ろの人が「車輪が外れてるわよ。」と教えてくれた。
「オーマイガー。どうもありがと。」
「どこに行こうとしてるの?」
「◯◯ホステルに。」
「それって反対方向よ。」
親切な人が、キャリーケースが壊れていること、私が迷子であることを教えてくれた。

気を取り直して、下り坂をキャリーケースを引きずっていると、車がわざわざ止まり、
上記と同じ会話があり、
「乗りなよ!」と言われた!ありがたい。
私は、すっかりこの街に恋をしていた。(女って単純)

指を立ててないのにヒッチハイクに成功したのは、宮古島と台湾の台東と、この街だけだ。
いい街に住んでいる人たちは、優しくなるのだろう。

誰かが引っ越したい街ナンバーワンと言っていたが、何故だかわかった気がした。


しかし、それは過去のことだ。私が恋をした街はもう‥‥ない。



今回、街に到着してはじめに目についたものは、テントだ。
「そうか、家のない人が増えたんだなぁ。」と思って路面電車に乗り継ぐと、家のない風貌の方で占められていた。
それでも、私は、「パスポートを取ったあと、ランチに久しぶりにラーメンを食べよう」とワクワクしていた。

しかし、Webサイトでチェックしていたラーメン屋はとうとう見つからなかった。それどころか、ほとんどのお店はcloseしていた。

暴動ってあるでしょ?私もニュースで見たんですよ。
私の平和馬鹿な頭の中では、“だんじり祭“くらいなものにイメージされていて、店が破壊されても、すぐ直されるのだろう。と思っていた。(あらため学びました。暴動って保険おりないんだ。)

ホームレスのテントだって、街の一角に集められているだろうと、思っていたが予想に反して、ダウンタウン全体がテント村になっていた。
空っぽのビルはぐるぐるに鍵がされていると、その前には、テントが並んで、ブランケットでぐるぐるになって昼間から寝ているんです。

建物は、直された様子はなく、ベニア板がいたるところで張られ落書きが施されていた。
昼間なのに、街の真ん中で堂々と新しい落書きをしているものもいた。

こんな時に「オーマイガー」っていうのが本当なんだろう。けど、私は無言で立ちすくんだ。

枯れていたと思っていた涙がでてきた。

かつて恋人だった人が酒乱になって舞い戻ってきたら、同じ感情になるでしょう。噂で聞くのと、目の当たりにするのでは訳が違う。

そのへんを歩いていた優しい住人はどこに消えたのだろう。いま、わたしが今、道で倒れたら、誰も声をかけないだろうな。お昼ご飯をどうやって手に入れるのだろう。お手洗いに行きたくなったらどうすればいいのだろう。いつもの私なら、テントの住人に話を聞いた所だが、パンデミックの中でそれもできない雰囲気だ。

久々の都会での滞在時間は、3時間だった。長すぎる3時間だった。

私は帰宅して深い眠りについた。


◆◆
引っ越したい街ナンバーワンの街の家賃は、高騰し売り買いされ、挙げ句の果てにはテントの住人によって支配されていた。
もし、地元生まれ地元育ちの人ばかりなら、暴動も起きずに、住人が支えあって生きているだろう。(考えてみて。生まれ育った街を破壊したいなんて思わないでしょう。)



もともと、地球は人間だけのものではないのに、借金してまで土地を売り買いして、一喜一憂して、バブルを作って、はじけては、大慌てしている人間は確かに愚かかもしれない。
それを神様やらお天道様は見ているだけなのでしょうか?
だとしたら悪趣味ではないの?

☁️
今日の私の街はくもりです。
私にできることは
曇り空に祈って、Note につぶやくだけ。


赤 和歌子





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