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アカツキを辞めた私が、アカツキに来てよかったと思うこと

この記事は、『アカツキ人事がハートドリブンに書く Advent Calendar 2020』 の 20日目の記事です。
 前回は岸田さんの『今年ジョブチェンジした採用担当が、面接でよく質問されることに先手必勝で答えてみる』でした。

こんにちは。アカツキ人事広報部・HEARTFULチームのebataです。「HEARTFULチームとは?」は以下の投稿をご覧ください。

このnoteはアカツキ人事のアドベントカレンダーですが、私はこの12月からアカツキの正社員を辞め、現在業務委託として少し関わらせてもらっています。(やめた後もこうやってアドベントカレンダーにお声がけいただいてありがたい)2017年に入社し、子会社事業企画・経営企画・本社人事を経て2020年に退社した私が、今までのキャリアで得たものをお話しながら、転職先としてアカツキを選択することの「良さ」を紹介したいと思います。私個人が経験したアカツキのほんの一面のお話なので、ご参考程度お読みいただければと思います。

ファーストキャリアは羊飼い

2007年の夏、私はオーストラリア・クイーンズランドの内陸の農場にいました。隣家は数キロ離れ、母屋と離れの他は乾燥してひび割れた大地と羊、羊、羊、羊、羊。あと犬。水道管は通っていない。夜になると大地と空の境目が見えないほど暗く、視界いっぱいの空にかかる天の川は、なるほど墨汁にミルクを垂らしたようだ、と感心したのを強く覚えています。

私のキャリアを簡単に説明する際、ファーストキャリアに羊飼いが登場します。羊飼い→リクルート→アカツキを経て、現在独立に至る。
先日お世話になったアカツキの方に餞の会を開いていただき、改めてキャリアの説明をしていたら「羊飼いが一番”ぽい”」と評していただきました。これは今までにあまりない反応で、いつもはその職種の奇異さに注目してもらうことが多く、荒野の鷹だか鷲だかが子羊をどうやって捕食するのかの小咄など披露して、一通りキャーキャー言われるのが一連の流れです。
「どの辺が”ぽい”でしょう。」と聞くと、少し考えられた後
「自然のアンコントローラブルさ。そしてどうにかしようとせず携わっているのが。」と。

”ネガティブケイパビリティ”という言葉があります。
本の題名を借りれば「答えの出ない事態に耐える力」
未解決の状態にせっかちに帳尻を合わせず、宙ぶらりんの状態に耐える。元来、人の脳は解りたがりで、不可解な状態には「意味づけ」をし「理解したもの」として扱う方が楽なんだそう。だから、そのまま"解らないもの"にしておくのは踏ん張る力が必要なのだとか。

リクルートにあってアカツキにないもの
アカツキにあってリクルートにないもの

リクルートは優秀な人が多い。優秀じゃない人も多いですが、まあとにかく人が多いので優秀な人はやっぱり多い。地も地じゃない頭もよく、本質を見極め、ロジカルに、なぎ倒すような行動力と胆力と圧倒的当事者意識を持って社会課題に真摯に向き合う。当たり前だけどそんなに全能ではないですし、欠けたところも沢山あるけど、とにかくその質と量が段違いでした。
羊飼い上がりの23歳の茫漠とした私は、初めは悔しい思いも恥ずかしい思いも沢山しました。そうやって10年間色々なことを吸収して一人前のビジネスパーソンにしてもらえたと思っており、今でも好きな会社です。

そんなリクルートとは事業規模も人数も違うアカツキが人材の層の厚さで上回らないのは当然ですが、私がアカツキがリクルートに優っていると感じる点のひとつが先の”ネガティブケイパビリティ"です。
これもやはり全員が能力として持っているわけではないのですが、確かにそこにあり、無視できない"曖昧なもの"が存在するという共通認識がアカツキにはあったように思います。その複雑性や不安定・不確実さ、そしてその自然さを持って生きていると、社会と時代を捉えるような感覚が身についてくるような気がしてきます。
あえて対比して表現するなら、リクルートがポジティブケイパビリティに長け、アカツキがネガティブケイパビリティに長けていると言えるでしょうか。

アカツキに転職するなら

もし今までポジティブケイパビリティを研鑽してきた方がいらっしゃったら、そしてもう一つ別の扉を開きたいと思っていたら、アカツキをお勧めします。
その研鑽されたポジティブケイパビリティは、必ず今後のアカツキの成長に必要とされ役に立ちます。それと同時に全く歯が立たない瞬間が沢山訪れます。どちらも大事な考え方で、そのパラダイムの違いをどうか楽しんで味わって欲しいと願っています。

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羊飼いの原体験の話

私が海外で一番日本との違いを感じるのは"光と空気"です。
現地の日差しが作る明暗の鋭さ、目の奥が痛むような建物の白さ、乾燥した大地。息をすると肺に違和感のある重たいの空気。違うものだらけの環境に身を包まれると、私の方が世界の異物となり、やがて体は順応して心だけが取り残されたような感覚に陥ることがある。視界は明瞭で、脳の芯がぼんやりした、眩しいスクリーンを映画館の暗闇から傍観しているような浮遊感。

その日私は一匹の羊の世話をしていました。骨折し動物としてもう長くはないのは明らかでした。顔にはこの羊が死ぬことがわかっているかのように蛆が這っていました。
農場主から「子供がお腹にいるから、無事に産んだらその羊は殺すよ」と右手で銃のジェスチャーをしながら伝えられました。
割と動物は好きな方ですが、悲しさも残酷さも特に感じず、子羊が生まれるためでもなく、ただ漫然と羊の世話をしていました。生かしたいとも早く楽になってほしいとも思わず、生きているから世話をしていました。そこに目的などありませんでした

羊飼いが"ぽい"と仰っていただいた「アンコントローラブルに寄り添う」で思い出すのがこの映像。目の前で消える命に私はただ無力でしたが、非日常に置かれた脳には自然に映っていました。
どうにもできないが、嫌なことではない。これがネガティブケイパビリティに通じる私の原体験と感覚です。


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アカツキに来てよかったと思うこと

前職のポジティブケイパビリティの研鑽もアカツキで役にたったこと。
新しいパラダイムに触れられたこと。
それが私には合っていたこと。
ずっといろいろなものが繋がって行くこと。
そしてまた新たな仲間と出会えたこと。
これが私のアカツキに来て良かったことです。

とても散漫で抽象的な話ですが、転職を考えていてフィットする人の参考になれば幸いです。


3年7ヶ月ありがとう

昨年に引き続きアドベントカレンダーに誘っていただきしとうさんありがとう。今年もギリギリに書いてごめん。
感情アウトプットが少なく「ebataさんは楽しいんですか」と聞かれるので、アカツキに来て楽しかったよというお手紙でもあります。3年7ヶ月お世話になりました。ありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いします。

人事アドベントカレンダー
【 クリスマス限定 】株式会社アカツキの人事広報部に所属するメンバーが、ハートドリブン&思いのままに綴った記事を毎日リレー形式で連載しています。
記事を読んでアカツキが気になった方は、ぜひこちらのHPへ遊びにきてください。▶︎ https://aktsk.jp/recruit/






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