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できれば仕事のできる猫の手を借りたい【短編小説#39】

猫の手も借りたいというが、誰でも良いという訳ではない。
ある程度知見があって背景も理解していないと、逆に説明が必要になったりして手間を取られることがある。

とは言え、猫の手も借りたいほど追い詰められている。人がどんどん居なくなったのに、不足要員を埋めずに、残っている人で業務を分担し、プロジェクトが走っている。

「あー猫の手でも借りたいよ〜。おててを貸してくれるキャワイイ猫ちゃんいないかな〜。」と誰もいない筈のオフィスで嘆いたら、「お貸ししましょうか?」と返事があった。

後ろを振り向くと、猫が立っていた。

「私、ねこ派遣サービスの猫川と申します。お客様にあった猫を派遣するサービスをしております。」と猫は礼儀良く挨拶した。

「ほんとですか?できれば日本版ジョブ型の人事制度導入を経験したことがある猫がいいのですが。猫の手をすぐにでも借りたくて。」

「ピッタリの猫がおりますよ。こちらベンガル猫は組織・人材マネジメント領域を専門としていて、約10年にわたる豊富な実績を有します。毛並みも綺麗ですし、素晴らしい肉球も持っています。」

「その猫で!その猫ですぐにお願いします!」

「ではベンガル猫のマサルを呼びますね!おっもう到着したようです。さすがマサルです。」

「初めまして。マサルです。宜しくお願いします。さて、何から始めたらよろしいでしょうか。」

「きゃーーかわいいヌコつぁん!職務記述書の作成をする前に、5分間お腹を吸わせてください〜〜。」

P.S. コロナに罹ってしまい、しばらく療養しておりました。本日から復活です。宜しくお願いします。🙇‍♂️

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