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時代は「象徴戦」へ

ある男がトランプ大統領のTwitterにコメントしていた。
「キリストも神殿の中に巣食った商人たちの机をひっくり返したじゃないか。」
別の女性がすかさずリプライする。
「やめて、さすがにトランプをキリストに例えるのはやめて!」

しかし、聖書に登場しない一般のエルサレム市民たちがあの時何を話していたか、想像してみたら分かるだろう。

「なんだって死人を生き返らせたなんていうフェイクニュースを拡散するやつがいるんだ!常識で考えれば分かるだろ!」
「全部手品だよ。タネがあるんだ。」
「すべては信者を増やして献金をあつめるためのパフォーマンスさ。金さ。」
「あれがユダヤの王ってwwwwww」
「ホント、みんな口だけの野郎に騙されやすいね〜」
「なぜあいつは妥協して引き下がらないんだ?司法取引を受けないんだ?」
「いい加減にしろ。解散解散。もっと他に大事なことがあるのに、いつまであんなやつの話をしているつもりなんだ!」
「もう我慢がならない!罰を与えるしかない!」
「磔だ!」

マスメディアの時代だから、ユダの数はいくらか多い。

神話は現実の出来事を語り、現実は幻想的かつ当然の帰結として神話に似てくる。ポスト・スペクタクルの時代には、というよりも人間は長くこうした存在だったのだが、事象がごく自然に神話へと吹き寄せられるものなのだ。

時代は「情報戦」から「象徴戦」へ。


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