明石 白(歴史ライター)

日本史専門ライターです。noteでは日本の歴史に関連することもそれ以外も書いています。…

明石 白(歴史ライター)

日本史専門ライターです。noteでは日本の歴史に関連することもそれ以外も書いています。文調は、ニュートラル、シリアス、コミカルなどさまざまです。書くまでが長い人。方向音痴。よく寝ます。虫を見るのが好きですが、触れません。

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「光る君へ」うろ覚えレビュー《第7話:おかしきことこそ》

本音で生きてる人々華々しく貴族たちが生きていた平安時代。身分の高い者たちは、戦国時代のようにわかりやすく弓や刀で戦うことは少ないが、代わりに陰謀や策略でが張り巡らされていた時代だ。藤原兼家などを代表として、表と裏の顔を使い分けて、腹を探り合いながら生きている貴族たちは多かった。 そんな中、少ないが清々しいくらい本音で生きている人もドラマに登場する。それが7話でもよくわかったので、代表として2人の名前を挙げたい。 その1 花山天皇 寵妃だった藤原忯子が身ごもったまま子供ご

    • 「光る君へ」うろ覚えレビュー《第6話:二人の才女》

      漢詩の会道長にとって「大きい方のお兄ちゃん」である藤原道隆。実は彼は大の酒好きで知られるが、ドラマ内でも嬉しそうに酒を飲んでいた。 そんな彼が、自らの政治的立場を強固にするために若い有望な貴族たちの囲い込みを狙ってウケのよさそうな漢詩の会を催した。 そこでは達筆の藤原行成、多才な藤原公任、モテたと言われる藤原斉信、そして藤原道長など新進気鋭の青年貴族たちが揃い、漢詩を披露したのだった。 そしてこの男たちの漢詩の会に、まひろと桔梗も加わったのである。 第6話では桔梗、つまり

      • 安王丸と春王丸の辞世 戦国百人一首96

        安王丸(1429-1441)と春王丸(1431-1441)は、父親が自害したあと捕らえられ、京への護送途中に殺害された兄弟だ。 父は第4代関東公方足利持氏(1398-1439)で、亡くなった際の足利安王丸は13歳、足利春王丸は11歳。 1441年のことである。 まだ元服前の兄弟たちが何に巻き込まれていったのか、その経緯から説明しよう。 室町幕府の4代将軍は足利義持だった。 そのあとを継いで5代将軍となった息子の足利義量だったが、彼は早世した。残された父親の義持は、そのあと

        • 「光る君へ」うろ覚えレビュー《第5話:告白》

          直秀がかっこいいんだが。第4話でまひろは、五節の舞いの舞台の真っ最中に自分の母を殺した藤原道兼の弟が「三郎」であり、その人が藤原道長だということを知った。 第5話では、ついに2人はお互いが何者なのかを知った上で顔を合わせることとなった。 そのまひろと道長の二人が満月の夜に落ち合う手引きをしたのは、平安京のルパンこと直秀だ。 例の散楽師兼盗賊である。 一度は手引きすることを断ったくせに、結局はまひろと道長の密会を実現させてくれた。なんだかんだと言って、2人に優しい直秀。身分

        「光る君へ」うろ覚えレビュー《第7話:おかしきことこそ》

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        • 光る君へ うろ覚えレビュー
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        • 奇妙な話、不思議な話
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          「光る君へ」うろ覚えレビュー《第4話:五節の舞姫》

          花山天皇が突っ走る。ドラマですから。ギアをあげてきている彼が即位し、花山天皇となった。 ドラマの中に表現されているような天皇の奇矯な振る舞いについては、残された説話を参考に創作されたものだ。 アレ、つまり「花山天皇が即位の際、神聖な高御座に女官を引き入れてことに及んだ」というのもそのひとつ。 もしかしたらその即位シーンがあるかもしれない、そしたら一体NHKはアレをどのように表現するのかと期待半分心配半分で、やっぱり期待していた。 が、ドラマにその場面はなく、代わりに源雅信がア

          「光る君へ」うろ覚えレビュー《第4話:五節の舞姫》

          「光る君へ」うろ覚えレビュー《第3話:謎の男》

          実資、朝廷の正義。藤原実資がいい味だしてきていて、観察するのが楽しい。 ロバート秋山の顔がテラテラとしていて、落っこちそうな目玉とぽってりした口の存在感が気になって仕方ない。 今回実資は、平安朝名探偵よろしく藤原兼家と次男の道兼(つまり道長の兄)の画策で、円融天皇に毒が盛られていることをもう少しで見つけそうだったんだが。 やばいと思った道兼が毒を盛るのをストップさせたせいで天皇も健康を回復し始め、実資も毒が盛られた説は勘違いだったかと、案外あっさりと引き下がってしまった。ロバ

          「光る君へ」うろ覚えレビュー《第3話:謎の男》

          弘智の辞世 戦国百人一首95

          弘智(?-1363)は厳しい修行の末に即身仏となった。 「即身仏」をご存知だろうか。 途中で投げ出すことを許されない修行を絶命するまで行い、自らの身体をミイラにして生前の姿を保ちつつ、仏として未来永劫祈り続ける僧のことだ。 弘智法印の即身仏は、新潟県寺泊野積西生寺に現存するが、それが日本で見られる20数体ある即身仏のうち最古のものとなる。「法印」とは、僧の最上位を示す称号だ。 「松」が風に揺れる墨絵が描かれることがあっても、その風の音まで絵として見ることはできない。ある

          弘智の辞世 戦国百人一首95

          「光る君へ」うろ覚えレビュー《第2話:めぐりあい》

          めぐりあい1 藤原道長とまひろ第2話というのは、第1話ほどのセンセーショナルさはなく、どちらかといえばこのドラマに登場する人物の立ち位置を説明するのが目的のような。 ストーリーらしいストーリーはまだない様子だ。 ちゃんと登場人物ひとりひとりの性格や立場の違いを説明しておかないと、ほとんどが「藤原姓」の人々だから、区別がつきにくい非常にややこしいドラマになっちゃうからね。 ついに大人になった道長とまひろ(将来の紫式部)が再会。 そのきっかけは、なんとまひろのスっぽ抜けた履物が

          「光る君へ」うろ覚えレビュー《第2話:めぐりあい》

          「光る君へ」うろ覚えレビュー《第1話:約束の月》

          時代考証の倉本一宏先生まずは、国際日本文化研究センター教授の倉本一宏先生。この方が私が長く推している歴史学者の先生だ。藤原氏が権力の中心にあった国風文化の時代の男性貴族たちが残した日記を中心とする古記録と呼ばれる古文書研究の第一人者である。同時代に書かれた藤原道長の『御堂関白記』、藤原実資の『小右記』、そして藤原行成の『権記』などの最高権力に関わる者たちの記録の現代語訳は、歴史好きを魅了する。 その倉本先生が『光る君へ』の時代考証を担当されている。先生が発信されるSNSやウ

          「光る君へ」うろ覚えレビュー《第1話:約束の月》

          初詣行く。

          初詣に行くのは好きです。 2年参りが好きです。 ひとりで行くのも良い。 神社の境内でかがり火が焚かれていて、夜中に参詣の人たちが続々と集まってくるのが嬉しい。 暗い分だけ、神様が自分のほうに向き合ってくれているような気もする。 本当は、夜だから自分が自分に向き合えていて、それが落ち着くのかもしれない。 夜だから、欲張ったお願い事だってするのだ。 黙々と神社に向かって歩く。 本音でいくよ。 本物の自分でいく。 しかも、元旦の朝にも初詣に行く。 そのときは家族や親戚などと

          スペインでイケてる日本的な米

          マドリードでも日本食を食べる。 パエリャもおいしけれど、やっぱ一定の頻度で日本食を食べる。 日本から輸入したコシヒカリみたいなのは超高級すぎて、代わりに庶民の我々は家庭では「マシな感じの日本米ぽいやつ」を食べる。 自分の場合は中国食材店で「マシな感じの日本米ぽいやつ」というのをいつも購入する。 買うときはいつも半笑いだ。 見て欲しい。 どうよ、これ。 憂いを帯びた表情のサムライは、顔の割に妙に肩幅が広い。 妙に身体に馴染んだかんじの裃的羽織物を着て立っている。 ど

          スペインでイケてる日本的な米

          上杉謙信の辞世 戦国百人一首94

          戦国武将を語るときに、この人物を忘れるわけにはいかないだろう。 信濃の覇権を巡り武田信玄と川中島で長く争ったことで知られる、山内上杉家第16代当主上杉謙信(1530-1578)だ。 越後(佐渡を除く新潟県全域)の守護代だった長尾為景を父とする。 幼名、虎千代。元服ののち長尾平三景虎、そして政虎、輝虎と名乗ったため、「越後の虎」と呼ばれた。 「謙信」は仏門に入って名乗った法号である。 ほかに「越後の龍」、「軍神」とも称された。 簡潔で、漢文らしいキレがありながら「夢」や「栄華

          上杉謙信の辞世 戦国百人一首94

          noters [seven] のぼさんの明治28年を。

          四国は愛媛県松山市の道後には、子規記念博物館がある。松山出身の俳人、「のぼさん」こと正岡子規を記念した博物館だ。 正岡子規の本名は正岡常規だが、幼名は升といったから、のぼさん、である。 さてこの博物館のメインは、もちろん子規をテーマにした展示なのだが、歴史の勉強会のような講演会や講習会の会場によく使われている。郷土史家の方や地元の大学の先生などが、地域の歴史に興味のあるひとびとに講義をしてくださるような機会もあって、私もよく訪ねる博物館なのだ。 少し前の話になるが今年の

          noters [seven] のぼさんの明治28年を。

          『一冊でわかる平安時代』10月26日発売。

          河出書房新社さんの本、初めて書かせていただきました。 といっても書いたのは半分くらいです(1~3章)。 『一冊でわかる』シリーズのひとつとなる『一冊でわかる平安時代』。 大石学先生の監修です。 来年の大河ドラマは平安時代が舞台です。(個人的に私は力が入っているよ!) 予習用としてよい本かも! 比較的平易なコトバで書かれている本なので、中学生の皆さんくらいから上の年代の方までお楽しみいただけるようになっています。 そのような内容が順を追ってほぼ時系列に説明され、一冊で平安

          『一冊でわかる平安時代』10月26日発売。

          ありがとう、墾田永年私財法。さよなら、デオキシリボ核酸。

          先日、出版社に勤務する友人から「中学生のとき、どうやって日本史の勉強した?」と問われた。 自分はラジオドラマが好きだったため、歴史を題材にしたものを聴いたり、ほかには歴史に関連するマンガを読んだりするうちに歴史好きになった。 つまり、そういうソフトな教材めいたものに触れているうちに、なんとなく歴史の流れを知るようになった。 と、思っていたんよね。 まぁ、間違いではないけどね。 でも、よく考えたら日本史系のマンガやラジオドラマを楽しんでいたのは中学時代半ばから後半のこと

          ありがとう、墾田永年私財法。さよなら、デオキシリボ核酸。

          ひすとりっぷしました。                    「ことりっぷマガジン Vol.38秋号」で。

          「ことりっぷ」という昭文社さんの旅行本シリーズがあります。 いろいろな土地や国のガイド本なのですが、ガツガツしていなくて、1人や2人連れの女性がマイペースで旅行するのに合いそうな本ですよね。 その「ことりっぷ」の流れで年に4回の季刊で発行されているのが「ことりっぷマガジン」。先日、この秋のための第38号が発売されました。(ちょっと報告が遅れている・・・) そのVol.38に記事を書かせていただきました。 もちろん、日本の歴史に関連する内容です。 そう、今回は、「ことりっぷ」

          ひすとりっぷしました。                    「ことりっぷマガジン Vol.38秋号」で。