発達障害の子に合うのは、幼稚園か保育園か、それとも...?
発達障害のある幼少のお子様を抱えている親御さんは、
「我が子が幼稚園についていけず、退園を促された」
「幼稚園でのカリキュラムについていけていない」
「幼稚園、保育園、療育、その他にもどのような場所に自分の子どもが行ったら幸せになるのか」
と悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、発達障害(ASD)のある筆者が、実際に調べた発達障害の未就学児などが使える施設、そして自分の幼稚園生時代の体験談などを書いていきます。
参考のひとつにして頂けると嬉しいです。
事例
悩みを持ってある方は皆さんだけではありません。
実際に同じような悩みを持ってある方の想いを引用させてもらいます。
幼稚園か療育か。
保育園に行くべきか
このように幼少のお子さんを抱えていて子どもをどのような場所に入れるか、ということで悩んでいるのはあなただけではないのです。
では、発達障害のあるお子さんにはどのような施設に行けばいいのでしょうか。
それぞれの施設によって、特性が違います。
まとめてみました。
使える施設とその特徴
幼稚園
幼稚園はのメリットは、カリキュラムが決まっていることにより、教育を受けることができる点です。
一方で預けることができる時間が少ないなどのデメリットもあります。
保育園
保育園のメリットは、お昼寝があることにより、発達障害のある子どもがクールダウンできることです。
また、生活のリズムを整えること、安定させることに比重が置かれているため、発達障害の子どもにとっても変化が苦手なことが多いので、精神的な安心に繋がります。
私立、公立の違い
私立と公立の違いについて述べます。
私立では、宣伝を行わなければならないため、どうしても「こんなカリキュラムがあります!」と宣伝したいがために、カリキュラムが多くなってきます。
その点、公立は私立に比べて宣伝などを行わなくても良いため、カリキュラムも少なく、ゆったりしているところが多いです。
また、公立には安定した公務員ということもあり、ベテランの先生がいることが多く、発達障害のあるお子様の親御さんも安心、という声も聞かれます。
ここまで、幼稚園、保育園、または私立、公立の違いについて述べてきました。
しかし、正直に言って発達障害の子に合う園なのかどうかは、「園による」というのが実情のようです。
可能であれば、実際にお子様と足を運んでみて、見学することも手でしょう。
また、加配という、保育園、幼稚園の先生の他に特定の子どもをサポートしてくれる人をつけることができる制度もあります。もともとは保育園のための制度でしたが、今では場合によっては幼稚園も加配が可能な場合があります。
定員もあるので、利用が可能なのかは園に問い合わせましょう。
療育
療育では、障がいがある子が日常生活をうまく送れるようになって自立するための支援を行ってくれます。
認知行動療法やSST、箱庭などを使いながら、支援をします。
療育の特徴は独特のクラス分けです。
保育園では年齢によってクラスが分けられますが、療育では年齢に加え、子どもの障がいの状況などによってクラス分けをします。
療養では、保育士の他にも作業療法士、理学療法士、児童指導員などの障がいに対する知識を身につけたプロが在籍しています。
保育園、または幼稚園に通いながら療育に通うことも可能です。
療育は、保育園や幼稚園のように日中をずっと過ごす場所ではありません。
主に、保育園が終わった後、もしくは土日に利用することが一般的です。
通所系のサービスでは6歳までの子に関しては、「児童発達支援」があります。
児童発達支援では、集団生活に慣れるための練習、日常で使う基本的な動きの練習などをします。
療育に通うメリットとしては、
特性に早めに気付けることができたり、困りごとに対して上手に対応できるようになったり、支援を受けながらでも、教えてもらいながら色々なことができるようになることで、達成感から自信を得れたりします。
逆にデメリットとしては、合う支援者がいなければ効果はあまり出ないということなどです。
参照元:『保育園と幼稚園はどっちが療育向き?(自閉症療育)』
発達障害の幼稚園選びは慎重に! 子どもの特性に合わせた選び方
療育とは?発達支援の効果や早期療育の必要性を解説
療育とは?発達支援を受ける意味と効果、期間について|オンラインカウンセリング うららか相談室
療育とは?保育士の役割は?【定義・対象・保育との違い】 | 保育士くらぶ
発達障害の幼稚園生だった私の体験談
続いて、実際に発達障害(ASD)を持っている筆者の体験を書きます。
私の場合は、私立幼稚園に通っていました。
こちらの記事でも書きましたが、私には幼稚園生時代にこのような「ついていけない」という状況に陥っていました。
https://akari-media.com/2021/04/07/member-1041/
託児所時代
幼稚園ではないのですが、託児所に通っていた時期があったので、その時の記憶も幼稚園時代を語る前に、一応書いておきます。
託児所での時間ははっきり言って、自分にとって地獄そのものでした。
私が悪いのですが、特性のためと思われる「何度言っても言うことを聞かない」「危険な行動をする」などの行いのせいで、入ってからしばらく経ってから、若い男性の先生に目をつけられてしまいました。
言葉でよく「本当にあんたは!!」と言われました。
ある日、その若い男性にバインダーで思いっきり頭を叩かれました。
自分が何度注意されても同じことをしていたのが悪いのですが、叩かれた瞬間....泣きました。
でも、「叩かれたこと」に対してや「体の痛み」に対して泣いたのではありませんでした。
「なぜ、私はみんなのようにできないのだろう」という「強い劣等感」のために泣きました。
あの時のこと、そしてあの先生のことを、恥ずかしいですが、大きくなってもなかなか許せない自分がいました。
そして、あの時芽生えた「なぜ、私はみんなのようにできないのだろう」という想い、悲しみは今でも私の心に住みついています。
その強い劣等感のせいで、前に進みたくても進めない時があります。
注意なのはここまで先生が厳しいのは、時代もあったんだと思います。
また、託児所全部がそういう風に厳しいというわけではありません。
続いて、幼稚園に入ってからの体験を記します。
図工が苦手
自分では正直あまり覚えていませんが、手先が不器用なため、親によると、私は図工の時間がある日は登園をとても嫌がっていたそうです。
登園拒否をする
年長になると、毎朝のように「幼稚園に行きたくない!」とよく泣きわめいて、ぐずり、親を困らせました。
友達が一人しかできない
友達がたったの1人しかできませんでした。
しかも半年ほど経ってやっとできました。
それまでは1人遊びをしていて、とても悲しく惨めだった記憶があります。
運動が恐怖
特性のためか、運動が大の苦手で、体育が恐怖でした。
また、遊具さえも怖くて乗ることができず、自分が情けない、と常に思っていました。
私が通っていたところは、運動会がある幼稚園でした。
かけっこはいつもビリ。
かけっこ以外もいつもビリ。
そんな感じだったので、運動会の前はストレスからか熱を出したり、腹痛になったりしました。
辛かったです。
言葉で傷つきやすい
コミュニケーションも苦手、そして会話を受け取ることも苦手でした。
嫌な言葉かけをされた時、どう対応していいか分からず、何日も何日も思い悩みました。
相談できる大人も親以外にいなかったため、しんどかったです。
当時を振り返って
幼稚園生時代も辛かったのですが、1番辛かったのは、託児所の時でした。
「大人からずっと怒鳴られた」「大人から叩かれた」という記憶は、ずっとずっと心の中に傷として残っています。
また、幼稚園では、「みんなについていけない子ども」「劣等生」「普通じゃない」という痛みを人生に植え付けられました。
もちろん楽しいこともあったけれども、自分にとっては辛さの方が大きかったです。
今、悩んでいる親御さんへ
「幼稚園の入園を拒否された、悲しい。」
「幼稚園で退園を促された、子どもが可哀想でたまらない。」
「幼稚園で健常な子どもと一緒に育ってほしい」
そう思われている親御さんも多いでしょう。
私は親になったことがないので全ての心うちは分かりませんが、とても心の痛みに共感します。
しかし、大人になって幼少期をゆっくり振り返った時、私が強く思うことがあります。
それは、「あの時、もっと自分の特性に合うところに通っていれば幸せだっただろうな...」という思いです。
また、ある映画で
という言葉も出てきます。
私はこの言葉にすっごく共感していて、大人になった今、本当に身にしみています。
綺麗事に聞こえるかもですが、私は「自分の特性にレベルが合う場所」へ行くことがその子にとって本当の幸せなのでは、と思っています。
私の場合は、当時まだ「発達障害」の診断もおりてなかったし、それに時代も時代で「発達障害」の子への理解やサポート体制も社会が進んでいなかったので、「自分の特性に合う場所」へ行くことは不可能に近かったかもしれません。
でも、あの時「自分の特性のレベルに合った場所」に行っていたら。
トラウマもなく、今が何か違ったのかなあ、と思うのです。
あくまで私の意見です。
それに、「ご自分のお子様の特性に合う場所」を見つけることは簡単なことではありません。
私は親になったことがないので、無責任な意見かもしれませんが、20数年間生きてきて、振り返っての純粋な感想です。
ですが、最初にお話しした園による違いや加配、または療育などを視野に入れつつ、「子どもの特性のレベルに合った場所を探してあげる」ということも、当事者の一意見としてよかったら参考にしてみてください。
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