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KEI's Craftと短編ミステリの時間③

2016年10月開催の、ミステリからインスパイアされたキャンドル作品の展覧会「KEI's Craftと短編ミステリの時間」より、数回に分けて展示の模様をご覧いただいています。
3回目からは、少しテンポを上げて?作品をご紹介していきます。

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「 なにもないねこ 」別役 実・著
( 北村 薫 編『謎のギャラリー・特別室』 (マガジンハウス) 収録 )

◇キャンドル作品名: 「Nothing But Cat」

このお話は、果たして「ミステリ」と呼べるのかどうか分かりませんが、
北村薫さんの名アンソロジー「謎のギャラリー・特別室」に収録されていたことから出会い、衝撃を受けた作品でした。

皆さんは、「なにもないねこ」と聞いて、どんな内容のお話を思い浮かべるでしょうか。

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そして、読み終わったらどんな感想をお持ちになるでしょうか。
とても短いお話です。

作者の別役実さんは、劇作家・童話作家など、多彩な方だそうです。
お亡くなりになられたそうで、大変残念です。
お名前が珍しいために覚えていたのですが、私は子供のころに
別役さんの「さばくのまちの Xたんてい」という作品を読んだことがあり、
そして、この「なにもないねこ」と、
短い2作品しか読んだことがないのに、どちらも強烈に印象に残っています。

「なにもない」ことを表現するのは、大変に難しいことです。

なので、透明なねこを作りました。
自分の”存在”ということについて、いつも考えさせられるお話です。

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「ミルリトン探偵局・1 猫だけが行ける場所」
「 久助 」
(クラフト・エヴィング商會Presents  吉田 音・著
ミルリトン探偵局シリーズ・1 『Think』 収録 (筑摩書房)1999 )

◇キャンドル作品名: 「Blue Moment」

不思議の品を取り扱う、作家・装丁家ユニット
”クラフト・エヴィング商會”の吉田篤弘さん・吉田浩美さんの、”娘”
「吉田音(おん)」ちゃんの登場です。

夢か、架空か、
過去か、未来か。

黒猫のThink(シンク)が運んできた、不思議な手がかりを巡って広がる 「空想ではなく、推理」。「猫だけが行ける場所」と、次の「 久助 」を
続けてどうぞ。

「ミルリトン探偵局」シリーズは、第1作目のこちらと、第2作目「Bolero
(ボレロ)」の2冊しか出ていません。実は、ずーっと3作目に期待している私なのですが。

キャンドルのテーマは、「Blue Moment」
「ブルー・モーメント」は、「マジック・アワー」とも呼ばれ、その名の通り、景色がブルーに染められたような色に見える、ある一定の時間帯のことを指します。いろいろな気象条件などが揃うことも必要で、夕方と夜の間の 10分程度のほんのわずかな時間だそうです。

そんな不思議な時間に、黒猫Thinkは「猫だけが行ける場所」に するりと消えてゆくのでしょう。

本の装丁の、ブルーのようなラベンダーのような美しい色と、頭に浮かんだ「ブルー・モーメント」から、このキャンドルを作りました。
ブルーの染料のみ様々な種類を使ってグラデーションを作っています。

それでは続きは④で。。。



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