【漫画】母と食べたケーキ

私の母はわりと怒る人です。
私も結構短気で、今でもしょっちゅう喧嘩します。

小学生の頃も、よく弟と喧嘩しては気づけばそれが私と母との喧嘩になっていたりするのが日常茶飯事でした。（そして気づけば当事者だったはずの弟は部屋の隅で涼しい顔をしてゲームをしているという…）

帰ってくるなり椅子を蹴って暴れたりしたら驚くに決まっているし、「落ち着いて話しなさい！」と怒鳴られてもおかしくない状況です。

ただ、この日は不思議なほどまったく怒られなくて。
ケーキが用意してあったのも偶然でした。

「もう限界」と思って帰ってきたのを瞬時に察してくれたんでしょうか。
もしこの時怒られていたら、同級生から嫌がらせをされるわ母には怒られるわという最悪の1日になっていたはずです。事情も言わずに急に暴れて……怒られても仕方ない事を私はしているんです。
でも母はにっこり笑って、私にケーキを出してくれた。

私が母親になって、もし同じような状況になったらこんな風に出来るだろうか。

弟の身体が弱かった事もあり、私にとっては母に構ってもらえる時間が段々減っている時期でもありました。でもこの時弟はスイミングに行っていて、久しぶりに母と2人で過ごせたのです。今考えてみると、久しぶりに2人になれるから、という事でケーキを買っておいてくれたのかもしれません。そういう純粋な気持ちで待っていてくれたのだとしたら、ドアを開けるなり暴れ出した私は本当にダメな娘です。

いつもは弟に取られてしまう母を独り占めして、内緒でケーキを食べた夕方。とても特別で、幸せで、最高な時間でした。

この時の映像を、今でも鮮明に思い出せます。