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akaneおすそわけ郵便 第十九回「ポットとカップを温める時間」

師走は、気持ちだけ走るなぁ。まだ仕事をしようとする自分にお休みのサインを出したいのだけれど、このままだと大晦日も元旦も関係なく、中途半端に仕事をしそうでコワイ。

今日は遅く起きたので仕事が後ろに倒れ、母に家事を任せきりで、夕飯が夜の十時になってしまった。私はただ座って食べるだけの人。慌てて食べているので、ちゃんと味わっていない。食べた量もわからなくなってしまう。

いかんいかんと思いながら、食後の紅茶だけは自分で入れる。

私は紅茶党で、ほぼ一日中、紅茶を飲み続けている。それも大きめの鉄瓶ポットを愛用しているので、一日二リットル位飲んでいる計算。

ポットを鉄瓶にしているのは、お湯が冷めにくいから。美味しい紅茶の入れ方を聞かれたら「とにかく熱いお湯で」というのを必ず伝えている。そのためには、ポットをヤカンの側に置いておく、ポットに被せるティーコージーは生地の厚い物を等々、ポイントがある。

中でも一番大切なのは、ポットとカップをお湯で温めておくこと。

それにも関わらず、つい先程、急いでいた私は、ポットもカップも温めずに紅茶を入れてしまい、今になって落ち込んでいる。この手間を省くと、お茶を入れるのが早くて楽チン。でも、お茶の味は落ちる。

何より、手間をかけてお茶をいれる時間を惜しむなんて、私じゃないと思ってしまう。

そう云う時もあるさ、と流せればいいのだけれど、なかなかに難しい。

手間をかけるには、理由と愛があるから。

その理由と愛を大切に思う余裕を、出来うる限り、持っていたい。


【今日の一枚】黄色い食器が好きです。二十年ほど前にロンドンの紅茶の博物館に行った時に、ハンプティダンプティが壁に腰掛けている型の黄色いティーポットを買わなかったことをいまだに後悔しています。

【akaneおすそわけ郵便】は、大橋あかねが三十年以上かけて集めたポストカードに、自分の日常や愛するモノについてなど、その日の気分で書きたいことを書いて郵送でお届けすると云う企画です。こちらは、そのnote 版。今日もおつきあい頂いて、ありがとうございます。

(C)akane ohashi 2019

毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。