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心が戻る 終えた愛に 想いが戻る あの夜に
「会いたい」が春なら
いってきますと 出かけたひとが ただいまと 帰ってくる
あとすこしで 茜に染まる
母は窓だ 私にとって 母は 世界に開く窓
雲間を 泳ぐように 月が
今日は 世界でいちばん愛しているひとが うまれた日
愛のために生きている
愛する人の居ない場所で 私は愛に触れている
たとえば 穏やかに降る雨の音 噛みしめた食事の豊かな味わい その余韻に重なるお茶の清らかな…
何故、想い出を重ねるのだろう 透き通った絵の具を筆で置く様に 一刷毛ごとに、色が増す
私は手を振る 木馬に乗って 回る輪の外の 愛する人に向かって
心からの望みがわからなくて 死んだ様に生きている 絶望はない 寧ろ、片隅に歓びすら在るかも…