東大卒英語連載W

【保存版】東大卒が書いた最強の英語攻略法Vol.5<英作文力(Writing)編>

こんにちは、岩崎令と申します。

「英語でSNSやメールなんて書いたことがない」「英文で資料を作成しないといけないけど苦手」「英語論文はどうやって書いたらいいんだろう」「試験で出る英作文問題や英訳問題はどうやって対策したらいいかわからない」とお悩みの方がいらっしゃると思います。

そんな英作文力を鍛えたいと向上心をお持ちのあなたに、東大卒の私が効率的にWriting力を習得できる正しい勉強法を紹介します。

英語力の「7つの力」
いつも記事の冒頭で述べていますが、よく英語は4技能があると言われ、Reading/Writing/Listening/Speakingに分けられます。
私はこの4技能の前提として、3つの基礎力があると考えており、リストアップをすると下記のとおり、英語マスターになるには7つの力が必要です。

1.単語力(基礎)
2.文法力(基礎)
3.構文・解釈力(基礎)
4.読解・要約力(Reading)
5.作文力(Writing)
6.聴解力(Listening)
7.会話力(Speaking)

今回はこのうち、4技能の2つ目のWriting力に絞っています。

なお、英語の基礎力から不安の方は、ぜひ下記の基礎力完成編の記事から先にご覧ください。基礎固めができていないうちから、実践的な問題演習ばかりでは実力は伸びません。

英作文は暗記だ!

英作文の攻略法は、結論から言うと「例文暗記」です。ビジネス文書でも、SNSの投稿でも、英訳問題でも、自由英作文問題でも、英文の例文パターンを暗記することでWritingができるようになります。

基礎固めで使っていた英単語帳を出してきて、日本語から英単語を思い浮かべて、文法・構文力を駆使しながら、頭を使って作文するのは大変です!

しかし、英語の例文を覚え、よく使う表現を覚えれば、あとは単語を変えてカスタマイズすれば、間違った英語を使って恥をかいたり、試験で大きく減点されることはないのです。

英作文力とは日本語力だ!

伝えたいことがあるのに英語が思い浮かばないときは、同じような日本語に言い換えてから、英語を考えると英文を考えられるようになります。

例題として、下記の東大入試問題で解説しましょう。東大英語は自由英作文タイプの出題がメインでしたが、2018年では珍しく英訳問題が出題されました。また、英語で解答する問題が増えるなど、東大はライティングを重視し始めたとみてよいでしょう。

下記が問題文です。

「現在の行動にばかりかまけていては、生きるという意味が逃げてしまう」と小林秀雄は語った。それは恐らく、自分が日常生活においてすべきだと思い込んでいることをやってそれでよしとしているようでは、人生などいつのまにか終わってしまうという意味だろう。
(2018年東大英語2(B)太字部を英訳せよ)

まず英文解釈でも似たようなことをやりましたが、文の構造を掴んで分解することが大切です。早速ですが、次の4つに分解します。きっと採点基準もこの4つの表現ができているかを見て、あとはできていない点から減点されていきます。

(1)「それは恐らく〜という意味だろう。」
(2)「自分が日常生活においてすべきだと思いこんでいることをやってそれでよしとしている」
(3)「・・・ようでは・・・しまう」
(4)「人生などいつのまにか終わってしまう」

それぞれを暗記をした例文を使って考えましょう。

(1)「それは恐らく〜という意味だろう。」

例文暗記していたらというか、そもそもよく見る英文なので簡単でしょう。下記です。

It probably means that ....

(2)「自分が日常生活においてすべきだと思いこんでいることをやってそれでよしとしている」

東大なので文自体は容易です。表現で困るのは、頭から行くと「思い込む」は一瞬困る人もいるかもしれません。これは単純に「思う/信じている」に言い換えて"believe"を使うと判断します。

次に「それでよしとする」という表現ですが、そのままの形で例文暗記や英語の文章で触れてこなかったと思います。

直訳して"make it good"と考える人がいるかもしれませんが、こういった表現の英文を見たことがありますか?ないでしょう。見たことがない表現を英作文で使うのは危険です。また、そもそも"make it good"は「その状態を良くする」という意味になるので意味自体が違いますね。

そこで、これも言い換えです。「それで満足する」と発想できたら勝ちです。"be satisfied"という表現は基本表現ですね。あるいは、「それで十分だ」ということで、"it is enough [to / that]"でもよいですね。あとは文法事項は基礎固めができていれば、例えば下記の文を考えることができるでしょう。

it is enough to do what you believe you have to do in daily life

(3)「・・・しているようでは・・・しまう」

これは簡単で「もし〜していたら、〜しまう」ということで"if"を使います。

if it is enough to do what you believe you have to do in daily life, ...

(4)「人生などいつのまにか終わってしまう」

「人生が終わってしまう」というのはカッコつけずに"your life will end"で十分です。endが簡単すぎると感じるなら、"your life will be over"くらいは基本表現として知っておけると良いですね。GAME OVERの"OVER"と同じです。

「いつのまにか」は言い換えです。最もシンプルなのは「すぐに」です。簡単すぎるのに抵抗を覚えるなら「気づかないうちに」くらいでしょう。

your life will end soon.

以上をまとめると次の回答例ができます。

それは恐らく、自分が日常生活においてすべきだと思い込んでいることをやってそれでよしとしているようでは、人生などいつのまにか終わってしまうという意味だろう。
It probably means that, if it is enough to do what you believe you have to do in daily life, your life will end soon.

赤本・青本など予備校の模範解答はかっこつけていて、もうちょっと複雑な回答例を示していると思いますが、難しい表現を使って減点されるリスクを負うよりは、できる限りシンプルに考えて、多少減点されても大きな間違いを侵さずに簡単な英文を考えることが重要です。

ちなみに、簡単な表現すぎて減点されるかは、採点基準が公開されておらず、個別の問題の採点結果がわからない状況ではなんともいえませんが、客観的にはあまり考えにくいと思います。

ただ、東大教授には客観的におかしくても自分のこだわりを押し付けるような残念な教授もいるので、リスクを避ける意味では、自信がある限りは難しい表現をしてもよいと思います。

「簡単すぎて本来の意味を完全に表現しきれていないので減点」といって減点するのはありえます。ただ、英語としての間違いは確実に減点されるので、簡単すぎる文で多少減点されたとしても大幅に減点されないように確実に正しいと考える文を答えたほうがよいと思います。

また、蛇足ですが、学校の教育では「一生懸命やれ」と言われがちなので、全力で勝ちに行く人が多いですが、世の中で成功する人の考え方というのは「積極的な姿勢」では必ずしもありません。練習は怪我をしない限りでポジティブな姿勢はよいですが、試合などの実践の場では、どちらかというとセオリーなのは「勝つというより負けない」「ミスを侵さない」だったりすることも少なくありません。。

Google翻訳は100%正しいわけではない

ちなみに、上記の東大英訳問題をそのままgoogle翻訳にかけると次のようになります。

It probably means that you are doing what you believe you should do in your daily life and doing so is a good idea to end your life indefinitely.

これではまだまだgoogle翻訳では正しい英語とは言えず、昔よりはマシですが、そのまま使ってもよくわかりませんね。日本語と英語では言語体系は違うので、おかしくなってしまうのは仕方がありません。

ただ、部分部分の表現は間違っておらず、試験の場でなければgoogle翻訳は使えます!私もビジネスの場面などで大量の日本語を英訳するときは、一度google翻訳に当てて日本語にしたものを修正していくやり方をすることもあります。

ここで大事なのは、英語と日本語を照らし合わせて、(1)間違いに気づけるか、(2)間違いを正しく直せるか、という点です。(1)は文法的、(2)は英作文的といえます。

したがって、「これからはgoogleが翻訳コンニャクを作ってくれるから、外国語を学習しなくてもよい!」というのは私は難しいと考えていて、特にビジネスの場面に責任が生じる場面では、翻訳を使っても、あとで訴訟になったりして取り返しがつかない事態にならないよう、間違っていないか自ら確認が必要だし、間違っていたら適切に直す必要はこれからもあり続けます。

つまり、これからも外国語を学んでいく必要は当然ありますし、文法知識は活かせる上に、英作文のスキルは非常に重要なのです。

おすすめの英作文の参考書

いつもは大学受験生向けとTOEIC向けの参考書をご提案していましたが、TOEIC Writingはあまり普及しているとは言い難いので、大学受験生向けとビジネス・一般向けに分けてご紹介します!

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