中国映画『デンジャラス・ベイビーズ』ネタバレ感想/凸凹コンビがタイで大暴れ!
原題は“暴走狂花”、“狂花”は戦う美女映画によく使われる単語のようだ。暴走はまあクレイジーくらいのニュアンスだろうか。
本作は2018年製作であるが、日本では劇場スルー、2022年にDVDが発売されている。そのため、ポスターの雰囲気といい、邦題に“ベイビー”を入れてきていることいい、2021年に公開した邦画『ベイビーわるきゅーれ』を意識している雰囲気がある。手にとってもらうための策なのだろう。まあそれは良いとして。
体育大学の一年生である寮でグー・レイとバイ・ルオナン。グー・レイは散打の達人であり、バイ・ルオナンは伝統武術を学んでいる。寮が同室の2人だがウマが合わず、喧嘩しては教師のガオ・ティンティンに止められていた。
そんななか、ガオ・ティンティンと特待生でタイに研修に行くことに。勿論、グー・レイとバイ・ルオナンも一緒。冒頭から本当にこの人が武術を教えているのか?と疑いたくなるほど鈍臭さのある教師だが…何と生徒そっちのけでタイでクラブに。そこでまんまと人身売買組織に誘拐されてしまう。
教師を助けるために凸凹コンビがタイで大暴れ!というまあ予想通りのアクションコメディである。セクシーな美女を集めて、アクションさせたり、いろんな衣装着せたり…とまだこんなB級映画を作っているのかと思うような映画を作り続けている。
特に中国映画(と限定した言い方をすると多方面から怒られそうだが…)は、美女を美しく撮ることにこだわりすぎてリアリティを度外視しているところがある。
『MEG ザ・モンスター』のリー・ビンビンも、さっきまで水の中にいたというのにどこも濡れた様子のない、メイクばっちりの姿で出てきたりする。もはやご愛嬌と笑って見られるものもあるが、やはりリアリティのなさは目につく。
本作も衣装といい、撮り方といい、美女推しがすごい上に、かたやクールビューティー、かたやお馬鹿ちゃんというキャラわけ。個人的に、可愛くて元気なお馬鹿ちゃんキャラにはげんなりするところではある。
それ以上におっちょこちょい人情セクシー教師も都合が良すぎてびっくり。確かに皆可愛いし、美しいのはわかるが、キャラクターが都合が良すぎる上に背景が薄いのは何とも。
スピーディーな展開でサクッと見れるがドラマの奥行きがもっとあっても良いのでは。せめていいセクシー推しだけでもやめれば良いのにと思わなくもないが、文句をいいながら懲りずにこの手の映画を見てしまうのが私なのである。
アクションはそこまで悪くない。スタントも使っているだろうが、くどいようなスローモーションや、ありえない動きのワイヤーアクションなどもないので見やすい。しかし、クライマックスの戦いで派手に口から血をぶちまけるところといい、どう見ても勝てない相手なのに、何故か勝ててしまう強引さといい、最後の最後でガクっとしてしまう。
と、散々文句を言いつつも私はこういう映画が好きなのでこれからも見らのだろうと思う。気になったとしても、期待せずに見てほしい。
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