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プロのタイムスリップ
祖父が亡くなってから少し経ったある日の夜、僕は祖父の部屋にいた。祖父へ最後の義理を果たすために。
祖父は寡黙で真面目な人だったが、晩年は何処か違ったように思う。呼びつけられ、襟を正して病室に入って酒を勧められるとは考えもしなかったし、財産としてガラクタにしか見えない石を押し付けられるとは。
もう時間だろうかと思い酒に手をかけた瞬間、視界が暗転。体は拘束され、口には布が詰め込まれた。抵抗を考える
全力で推したいリストラ
「俺がリストラ……ですか?」
「あぁ。我が社も前回あんな事があったから規模を縮小したくてね。非常に残念だが……。」
勤続10年、人一倍有能とは言えないにせよそれなりに頑張ってきたじゃないか!
皆とは仲良くやってきたつもりだったが、それは結局の所俺の思い込みだったということか……。惨めだ。確かに最近妙に皆そっけないとは思ったが。
茫然自失のままに帰路につく途中、携帯がけたたましく音を立て始めた