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動かないものバトル

世の中には様々なトーナメントがある。

今まさに私の前に催されているものは、その名も「リペアトーナメント」。お題に対して、全世界から集まった職人が己の技術の枠を集め、元のあるべき姿を取り戻させようとする戦いだ。

思い返せば、準決勝では非常に難易度の高いお題で苦戦させられた。生命活動の再開、アイデンティティの再構築、同一データを持った別個体ではないことの証明。これら全てを5分という短時間で行うというのは、私といえど簡単な事ではなかった。

対戦相手は、該当個体が喪失する直前の情報を取得し、目前の個体に上書きする形での完璧な復元を図ったようだが、私から言わせてみれば、手を動かさずに済ませてしまおうという魂胆が気に食わなかった。

さて……決勝戦のお題は歴代のトーナメントでも稀に見る難易度のものとなった。このお題に対してどう取り組むか、急いで考えねばならない。

まずは人類が火を手にすべきだったかどうか、そこから考えて見るとしよう。

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