いちごつみ短歌 4月号 (vol.5)
※文芸ユニット【午前0時】のいちごつみ短歌です。昼行灯(♣︎)→紅井りんご(♧)の順で詠みました。
屋上のタンクの影がつま先に届くのを待つ 帰りたくない ♣︎
屋上でやきそばパンをかじっても川本真琴になれないあたし ♧
「凄いだろ」やきそばパンの腹持ちを熱弁してる兄にただ「うん」 ♣︎
推しの良さ熱弁すると早口になるし周りが見えなくなるし ♧
一人では味わえなかった寂しさが早口な夜加速させていく ♣︎
夜書いた遺書を破いて朝捨てた 散ってしまった桜に見えた ♧
いつまでも名無しのままのジャポニカが桜咲くたび疾れと急かす ♣︎
薄紅の花が咲く地を転々と移り歩けば長大な春 ♧
廃されたアパートの影すり抜けてまばらな雨が地を打っている ♣︎
雨の日にジンジャーエール飲みながら君を想って聴いてるくるり ♧
[摘まれた語]屋上、やきそばパン、熱弁、早口、夜、桜、咲く、地、雨
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