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悩ましい通級と情緒・特別支援学級の狭間

柏市の教育委員会さんの「特別支援教室新任研修」で講演をして来ました。
配信用にカメラ2台。最近の研修や講演では、カメラ需要が極めて増加してます。(テレビの制作費は下がってますが、制作会社さんのテレビ外収入の機会は増加)

内容はいつも通り「発達障害の認知特性、学習支援、就労からの法改正と企業のリーガルリスクにイーロン・マスクでイノベーション」と、盛り盛り。メンタリストDaiGoさんにならい、すべて学術論文からの抜粋。私見は1%です。
(DaiGoさんの「サンプル数1は・・・」の主張は、言葉の当たりはキツイですが、物凄く納得します)
最近はincluvoxの有識者の動画を挟んで、より一層私見の割合は低下してます(笑)

工藤勇一校長「障害のある人に問題があるのではなく、環境に問題がある」
精神科医バク先生「発達障害は100人いたら100通り」
ニューロダイバーシティの教科書著者 村中直人先生「子供の勉強法に邪魔するな」
影山摩子弥教授「障害者と健常者が共に働くと生産性が向上する」
入山章栄教授「発達障害人材は戦力」


柏市が、すごいんだ

昨年から、ご紹介を受けて柏市の教育委員会さんと発達障害に関する意見交換をさせて頂いているのですが、柏市の特別支援教育が、すごい。凄すぎて、千代田区議と視察に行ってしまったくらいです。
前教育長の川嶌さんや、市の担当者の皆さんのリテラシーが非常に高く、かつ構造的に市内の学校を網羅しています。
自治体によって方針が異なるため単純比較は出来ませんが、分かりやすい数字のデータとして柏市の「情緒・特別支援学級」の数に驚く。

柏市のいわゆる「情緒固定クラス」は中学校でも網羅的

東京は「通級」を重視しているため「情緒・特別支援学級」は極めて少ないです。
都道府県別の公立小学校で比較すると、最多の大阪府は2485学級に対し、東京都は119学級。青梅市23学級、多摩市16学級、町田市15学級で、37の区市町村は設置ゼロ。

引用Edu A

発達障害のお子さんをお持ちの保護者に「進学相談」を受けることがあり、都内に「情緒の特別支援学級」が少ないことを悩まれる方が多くいます。
その際私は「可能なら、柏市に引っ越されてみては?」とオススメしています。そのくらい信頼できます。
そんな話を柏市の担当者さんにお伝えすると「いえいえ、我孫子の方が素晴らしいですよ」との返答。
どうやら千葉県の主要都市で、発達障害への高いリテラシーがあるようです。

特別支援学級、通級、特別支援学校 ってナニ?

私も発達障害の父になり知った、この複雑で紛らわしい言葉の羅列。
簡単に仕分けすると以下です。
(なんなら、「特別支援教室」という言葉もある)

引用)障害者.com

都内の発達障害の多くの子供が通うのは「通級」です。普段は通常学級に在籍しますが、週に2コマ程度、別教室に移動し個別で療育を受けるものです。
柏市が重点的に設置している「特別支援学級」には「知的」「ことば」「きこえ」「情緒」など種類があり、発達障害の子供は「情緒の特別支援学級」に所属します。

通級や療育の意義を考えたい

これは多くの保護者も賛成される意見で、私もagreeなのですが「通級や療育の効果や意義は時限的ではないか?」と感じます。
小学校低学年までは意義を感じますが、成長と共に「療育」や「療育を受ける環境」に疑問を抱くんです。
これは、民間の療育サービスを展開する企業にも同様に疑問を感じます。

一般的な療育(療育サービス)は・・・

発達障害の子供を集め、一緒に勉強や遊びをし、社会的なルールを学んだり、自分の特性の理解を深める。その環境下では常に、子供たちの特性を理解し支援可能な大人のサポーターが数人付き添っている。

これは、社会ではありえない環境です。
周囲は発達障害を知らない多様な人たちに囲まれ、ときに無理解から厳しい言葉を投げられます。これが世間です。
成長と共に、療育ではカバーできない事が増えます。

理想はインクルージョン、でも、ウチの子は支援されたい本音

私は常に、発達障害支援は当事者の社会適応ではなく、社会のリテラシー向上と言っています。これはブレたことはありません。
発達障害をLGBTQと同様にする。
を言い続けています。
ですので「特別支援教育」が特別ではなく、当たり前になる環境づくりを進める活動をしています。
・・・でも、今の社会環境は、発達障害にまだまだ厳しい。
「通常学級でインクルージョンだ」と言いながら、「ウチの子は、情緒の特別支援学級に・・・」と思ってしまう。

通級なのか、特別支援学級なのか。
ホンネとタテマエ。
我が子では、ギャンブルしたくない。
これが、リアルです。


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