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《禁じられた花》茶席の花の話

お茶室の床の間には、花が飾られます。
掛け軸がなんのことだかさっぱりわからない、
それどころかそもそも読めないのに対し
ただそこにある美しさを感じればよい花にほっとさせられます。
(花もまた、「名前がわからない問題」を孕んでいますが)

そんなお茶室の心のオアシス、茶花(ちゃばな)ですが、
どんな花でもいいというわけではありません。

茶花にはふさわしくないとされた禁花(きんか)があります。

「南方録」には千利休の教えとして禁花を示す歌が残されています。

花入に入れない花はじんちょうげ、みやましきびにけいとうのはな
おみなえし、ざくろ、こうほね、きんせんか、せんれん花をも嫌う也けり

理由として、沈丁花(じんちょうげ)はニオイがきついとか、深山樒(みやましきび)は毒があるとか、鶏頭(けいとう)は見た目が毒々しいとかなんとか。
このほかにも棘のあるものは避けられるそうです。

とはいえ、時代によって変化しているようで、いまは女郎花(おみなえし)は利用されています。

こういう決まり事があることを知ると、茶道は面倒なものだと感じてしまいますね。
とはいえ、ニオイがきつい花はたしかにお茶の席にあいません。そういった教えもあることを知っておいて、自分がお茶会などを催す際の茶花選びの参考にすればよいのかなと思います。(そんな日は来るのだろうか?)

鶏頭(けいとう)といえば思い出されるのは、この句。
私は力強くて好きです。

鶏頭の十四五本もありぬべし(正岡子規)

トップの画像は鶏頭です。

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