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日報004 上位2割の働きバチ

外資IT営業の業務日報を書いていく。


「パレートの法則」をご存知だろうか。

「80:20の法則」ともいわれ、「売上げの8割は2割の社員に依存する」といった傾向をさす。集団の報酬や評価が一部の構成員に集中するという経験則。

会社などの組織に勤め人として所属している場合、この法則に沿って社員が分布しているという。

上位2割は損?

パレートの法則によると、売上の8割は、構成員の2割が持ってきている。つまり、この2割の働きバチが、残りの8割の怠けバチの飯を運んできているということだ。上位20%の働きバチは、必ずこう思うだろう。

「俺たち損してね?」

当然である。売上をあげるためには何かしらのエフォートを投入する必要がある。同じ時間を業務に充てている中で、なんとか目標を達成すべく、創意工夫を凝らす。その横で何もせずに、ネットサーフィンに勤しむ者もいる。売上を上げた分だけ評価を受けたり、金銭的な見返りが用意されていれば、多少は気持ちも紛れるだろう。しかし、とある会社では、パフォーマンスがどれだけ高かろうが、何も生産的なことをしなかろうが、給料に大きな変化はなかった。給料は、職階で定義されており、同じ職階にいる社員は、総じて同じ給与となっている。

評価についても同じである。パフォーマンスを出している/出していないに関わらず、年次で職階を上げる必要性が出てきた人物に良い評価をつける。実際に、面と向かって言われたことがある。

「(あいつより) 売上は上げていることは分かっているが...順番な。」

ここまで聞くと上位2割に入ることに良いことが何もないように思える。しかし、これだけは言っておきたい。組織にいるなら、必ず上位2割に入るべきだ。

信頼貯金とスキル貯金

自分が所属している組織以外でも、パレートの法則に沿った分布になっていることが多い。営業組織以外にも、企画、開発、マーケ、サポート、人事など、様々な組織において、パレートの法則は適用される。つまり、別の組織にも上位2割の人間が存在するのだ。

上位2割の人間には、信頼とスキルが貯まっていく。

上位2割の人間は、名前と評価が1人歩きする。(実は下位2割も同じ)
彼らは、すでに他の組織に名前が売れているのだ。

「XX部の◯◯さんからの依頼ということは、しっかりやらないと。」
「◯◯さんから問い合わせが来ているが、◯◯さんの場合は、いつも事前に下調べをしているから、本当に困って聞いてきているのだろう。」

上位2割の人間は、このように社内で優遇される。これは、会社の目標や組織の目標に対して、適切にエフォートを割いて、客観的に評価が可能な成果を上げていることが「信頼」につながり、徐々に蓄積された結果である。上位2割に入っておくと、他部門からの協力も得やすくなり、自分の仕事を進める上でストレスも軽減される。上位2割の人間は、他の組織の上位2割の人間を必ず把握している。

また、成果を上げる/上げ続けている人は、成功につながる経験や実績を、他の人よりも積んでいることになる。その結果、スキルも貯まっていく。出来ることが多くなり、作業の品質も向上する。(そしてまた成果を上げる。)

1点、注意事項がある。
信頼やスキルは目に見えない。そのため、直接的に金銭面に影響を与えることはない。今のポジションでの仕事をよりスムーズに進めたり、周囲の助けを得やすくなるという効果はある。ただ、「貯金」と名付けているので、引き出せないとおかしいだろうという話になる。引き出す方法が1つある。転職だ。今の組織で築き上げた信頼を捨てて、成果を引っ提げて違う組織に移ることで、これらの貯金をリアルな金銭として引き出すことが可能だ。

上位2割に入れるかどうかは最初の3ヶ月で決まる

知る限り、上位2割に入る人間は、その組織に初めて登場してから3ヶ月以内に、上位2割のポジションを獲得する。もしくは、この人は上位2割に入るだろうなという印象を周囲に植え付けている。これは統計を取ったわけではないが、おそらくそうだろうという確信がある。

身も蓋もない話をしてしまうが、上位2割に入る人間は、上位2割に入ろうと思って入っているわけではない。自分にとっては通常通りで、標準的な働き方をしていると、自然に上位2割に入っているのだ。

上位2割の人間が、新しい組織にやってきたときに、自然にやっている3つのことがある。

  • 質問しまくること。

  • 価値を提供すること。

  • 自分を宣伝すること。

この3つだ。

最初の3ヶ月は、何を質問しても咎められないボーナスタイムだ。製品のこと、文化のこと、プロセスのこと、組織のこと...分からないことは何を聞いても「入ったばかりだから」という理由で、教えてもらうことができる。このボーナス期間中に、必要最低限の情報を仕入れて、この組織で生き抜くための情報を手に入れる。

入ったばかりでどんな価値が出せるか分からないという気持ちも分かる。しかし、これは相手も同じで、いきなり新メンバーに価値が出せるとも思っていない。そんな中で価値を出すことで、相手からの信頼を積み上げることができる。簡単なことで言えば、名前を覚える、会議には1番最初に参加する、シャドーイングで参加した打合せの議事録を取る、など相手にとって何が嬉しいのかを考えながら行動する。

最後は宣伝だ。これは自分も非常に苦手な分野だが、うまいやつは本当にうまい。上の価値提供とも少し似ているが、自分は何ができる人間かということを、自然に相手に伝えている。具体的なスキルや実績をいきなり提示する必要はない。相手が好きそうな話題を振ってみたり、(仕事に限らず) 欲しい情報を渡してみたりすることで、相手は自分が何者なのか、何ができるやつなのかを認知する。これがうまいやつは、入社3ヶ月でも、他の組織の役員から、にこやかに声を掛けられたりしている。

冒頭にも記載したが、組織にいるなら、上記の方法を駆使して、必ず上位2割に入ってほしい。

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