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「"勧善懲悪"省」?

ニュースを英訳をしていて、思わず手が止まった省庁の名前。それは・・・

「勧善懲悪省」


アフガニスタンのタリバンが、女性を抑圧しているなどとして世界から広く批判されてきたこの省の「復活」を宣言しました。

英語では、何と言うのか・・・

Ministry for the Propagation of Virtue and the Prevention of Vice 

という訳や、propagationの代わりにpromotionを使う訳などメディアによって違いましたが、日本語にすると「"徳の奨励と悪の防止"省」とでもなるでしょうか。

イスラム世界を知らないと違和感しかない言葉の響きですが、サウジアラビアの宗教警察なども似たような名前で、「勧善懲悪」はイスラム教の倫理概念のひとつとのこと。

さて、「英中同時学習」。 中国語では何と言うのでしょうか。
勧善懲悪はそもそも中国語ですので・・・

劝善惩恶部 (勸善懲惡部 quàn shàn chéng è bù)

・・・のようです。今回のニュースでの記事はまだ見つけられていませんが、少し前の台湾の通信社の記事では、

當時,塔利班的勸善懲惡部(Ministry for the Propagation of Virtue and the Prevention of Vice )經常鞭打祈禱遲到者的腿部後方。小偷則會被處以公開鞭刑或截肢,甚至遭到當眾處決。(当時、タリバンの勧善懲悪省は、礼拝に遅れたものの尻を鞭で打ったり、泥棒を公開鞭打ち刑あるいは手足切断の刑に処したり、公開処刑にさえした。)

・・・とありました。

このようにアフガニスタンから日々伝えられるニュースは、その焦点が、だんだん新政権の陣容などに移ってきています。

しかし、国外退避を希望しながら出国の目処が立たない人は、まだまだ多く残されたままです。これまで書いてきましたように、アフガニスタンでかつて取材を手伝ってもらった現地の仲間たちの身の安全もまだ確保されていません。

このことを忘れず、アフガニスタンからのニュースを見つめていこうと思います。


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