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ずっと続くものなんて

結婚した人の半分は別れる。それが今の日本の現状だ。そもそも結婚という制度自体が血筋を明らかにするための制度で、誰もそんなものに重きをおいていない。おいていないにも関わらず、「結婚する」となればそれなりな重圧がのしかかるエポックメイキングな出来事に早変わり。いつの時代も3万円という金額は大きい。

なぜ急にこんな話をしているかというと、「ブルーバレンタイン」という映画を見たせいだ。

最近見た映画の中では、飛びぬけて「エグさ」を感じた作品だ。

一度は「愛しあった」2人。そんな2人も時がたつにつれて、次第にズレていってしまう。何か、耐え切れないほどひどく、これがイヤ、あれがイヤという出来事があったわけではない。少しの気持ちのズレが解消されないまま進み、時間の経過がそれを増長させただけの話だ。
――だからこそエグい。なぜならそれは誰の身にも降りかかるであろうズレだからだ。最初は気がつくこともなく、気がついたときには手遅れになっている。そんな夫婦がこれまでどれほど居たことだろう。

はたから見ていて、「それ、どうにかした方がいいよ」とアドバイスするのは簡単だ。でも当事者たちにとってみれば、とうてい簡単なことじゃなかったりする。自分のことほど見えづらいことはない。


最近公開された方が、「花束みたいな恋をした」にも似ている部分があるらしい。初々しく、キラキラした時代に見るべき作品ではない。結婚を悩む時期にも見るべきではない。じゃあ、いつ見るべきなのかと問われると、最適解は多分「離婚したとき」だろう。

そのときあなたはこの作品に心から共感できるはずだ。
だから、この作品は一生楽しんで見れない方がいい。きっと。



#エッセイ #コラム #映画 #レビュー #ブルーバレンタイン #花束みたいな恋をした #コンテンツ会議





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