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あなたも私もダルダル星人【ダルちゃん】【レビュー】

『新井賞』って知ってますか?

三省堂書店の書店員・新井見枝香が、店頭での販促を兼ねて、個人的に推したいと選定した本(主に小説など)

というカリスマ店員さんによる超個人的な賞です。
でも、ただの個人の賞と思う無かれ。

記事の中にも「他の数ある文学賞よりも、書店での売り上げが大きい」とあるように、新井賞に選ばれることの影響力は絶大なのです。

そして「主に小説など」とあるように、これまで8回は小説が選ばれてきましたが、ここに来て選ばれたのがこちらの漫画。

はるな檸檬さんの『ダルちゃん』なのです。

資生堂のウェブ花椿にて2017年10月~2018年10月に連載されていた本作。連載時より「しんどいけれど、読む手がとまらない」「ダルちゃんは、私だ」と大反響の声が集まった傑作コミック

簡単に中身も説明いたしますと、主人公「ダルちゃん」は、普段はキレイに擬態して普通のOLをしていますが、実は、気を抜くと体がダルっとなってしまう、ダルダル星人なのです。

SFとかファンタジーではありません。

私、最初はこの「ダルダル星人」という設定は、主人公の思い込みなのではないかと思っていました。所謂ひとつの比ゆ表現なのかな……と。
実際には、ホントにダルダル星人らしくて、その部分だけで言えばSFかもしれません(笑

でも、いつも擬態しているダルちゃんは、表向きは普通のOLさん

飲み会で、自分に振られた話にどう答えたら良いかわからなくて、愛想笑いを返してみたり。そんな飲み会自体が苦手だったり。身近な人の親切を素直に受け入れることができなかったり、それをねじ曲がって解釈してしまったり。

そんな大多数になじめない『普通の女の子』なのです。

私、はるな檸檬さんのデビュー作「ZUCCA×ZUCA」があまりにも面白かったので、「ヅカオタになりたい!」と思ってはや数年。

そこからはるなさんのファンを公言しております。

あ、ヅカオタってあれです。「宝塚オタク」の事です。

中には、既にどっぷり浸かっている人も居るでしょう。「ベルばらっぽいあれですよね?」くらいの人も居るでしょうし、全く興味の無い人も居るでしょう。

そんなあなたは、取り敢えず「ZUCCA×ZUCA」を読むべきだ。

既に宝塚を好きな人は、上から下まで共感の塊だろう。宝塚に興味のない人は、これを読めば宝塚の魅力がわかる。
そこにあるのは「深淵なる愛」。あまりの深さに戻ることなど出来ない、一方通行で力強く、壮大な愛の形なのだ。

……あれ?「ダルちゃん」の話してたんでしたっけ(笑

上のちょっとした紹介文の中にもあるように、「自分と同じだ!」「私みたいだ!」そんな共感を感じる部分が、ふんだんに盛り込まれています。

それは同時に、見たくなかった自分の嫌な部分を見せられるようで、可愛い絵柄なのにハードな部分も持ち合わせたそんな漫画。

それが本作「ダルちゃん」です。
こちらから、試し読みできるので一度どうぞ。

ついでに「ZUCCA×ZUCA」も読んだらいいと思うよ。こっちは純粋に楽しいよ。ソーラーパワーだよ。


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