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日向秀和というベーシストが好きだ

私は、日向秀和こと「ひなっち」というベーシストが好きだ。

そして、日向秀和というベーシストは現在多数のバンドに所属しているが、中でも「『ストレイテナー』というバンドに居る日向秀和」がとにかく好きなのだ。

そこには大きく分けて、『技術面』と『人間性』の二つの魅力がある。

日向 秀和(ひなた ひでかず、1976年12月4日 - )は、日本のベーシスト。東京都町田市出身。愛称は「ひなっち」、「町田のヤンキー」。元ART-SCHOOL、ZAZEN BOYSのベーシストであり、現在はストレイテナー、Nothing's Carved In Stone、killing Boy、EOR(Entity Of Rude)、FULLARMORなどのメンバーとして活動している。(wiki)

■技術面

現状だけ見ても、多彩なバンドに所属しており(といっても恒常的に活動しているのはストレイテナーとNothing's Carved In Stoneの二つ)、それだけ需要があり、期待に答えてくれるベーシストであることは間違いない。
バンドだけでなく、CDでアーティストのバックで弾いていることも多い。

プロとして圧倒的な技術力を持っていることなど、私がここで語るまでもない。ただ、私がひなっちが他のベーシストと一番の違うと感じるのは「曲に対するアプローチ」だ。

メロディとコードがあったときに、そこにどのようなベースラインを作るのか

もちろんオリジナル曲のベースラインに「正解」というものはない。でも「無難」なベースラインというのは存在する。

「曲がこんな雰囲気で、ドラムがこうくればベースは大体こういう風」。そうやって長年の歴史の中でつみ上げられて「無難」はできている。そこから外れれば外れるほど、破天荒にもなるし、雰囲気が変わって曲に合いづらくなったりする。

何事でもそうだが、無難から外れれば外れるほど難しくなる。

例えば、この曲などはわかりやすい。

サビはともかく、Aメロなどのべースラインは端的にいって普通じゃない。ちっとも「無難」じゃない。

そして、この様々なアプローチが許されているのは、ストレイテナーというバンドの懐の広さが大きい。曲を作った人が寛容でないと、下手したら曲の雰囲気を壊すようなアプローチを許すことないだろう。

過去にひなっち自身がNothing's Carved In Stoneとストレイテナーを比べてこう発言していた。

「ストレイテナーはバンドメンバー。Nothing's Carved In Stoneはベーシスト」

というもの。

実際にNothing's Carved In Stoneは、技術的にも非常に高く、難しいことはやっているものの、「雰囲気を壊す」ようなアプローチは少ない。あくまでも生方真一が作った曲の「雰囲気を壊さない中で、自由に自分を表現している」ように思う。あくまでも一人の「ベーシスト」に徹しているのだ。

かたやストレイテナーでは、曲自体の雰囲気すら作り変える。

もちろんホリエアツシが最初に曲を持ってきたときに、どのような雰囲気だったのか、などは想像することしかできない。ただ、出来た曲を聞いた時にそこにあるのは、フレーズに対する挑戦であり、同時に曲に対する挑戦だ。
ベースという一つのパートに留まることなく、「バンドメンバー」として、曲を根底から練り上げる
こと。

それを許されているのがストレイテナーにおける日向秀和のポジションなのだ。

どんなアプローチをして、その曲を作り上げていくか。あるいは壊していくか。

そんな熱い熱意を感じない曲が一曲たりともない。どのベーシストでも必ず良いフレーズを付けようと考えながらベースを付けるけれど、ここまでのレベルで「曲に挑戦している」ベーシストを私は知らない。

革新的なアプローチを作り出し、高い精度で演奏することができる。そんな技術面がまずひとつの魅力だ。

■人間性

高い技術をささえる高い意識

現状ですでに高い技術を持ちながらも、様々なアプローチを試していく野心。そしてステージの上でのエモーショナルな動き。
どれも生半可な心意気では追求できないものだ。長い年月をそのどれにも注いできた、それだけの高い意識がそこにある。

またひなっち本人の発言を借りよう。雑誌で「指かピックかどちらが自信があるか?」と聞かれたときの回答がこれだ。

「どちらも自信がある。どちらも練習しているから」

前半はいい。自信があるだけであればサルでもできる。

私がシビれたのはこの後半部分。「自信には、それを裏付けるだけの練習量があるからだ」とさらりと言ってのけた。
何事に取り組むときに不安になることはある。そこに自信がないのは、練習が足りていないからだ。であれば自信を持てるだけの練習をすればよい。

言うのは簡単だが、実践するのは簡単ではない。そんなことをさらりと内包する精神的なタフさ。これこそが彼の最大の魅力であり、私を魅了してやまないポイントなのだ。

■まとめ

技術のあるベーシストであり、ライブで動けるベーシストであり、革新的なアレンジを出来るベーシストでもある。

そして、そのすべてを追求できる強さを併せ持つ。それが彼の魅力であり、それを生かすことができるストレイテナーというバンドに居ること

このどの要素が掛けても、今ほどひなっちを好きではないだろう。これまでもずっと好きだし、これからもずっと好きなベーシストだ。


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