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『恋』と『友情』の境目はどこ?【#マンガの話がしたい】

そのマンガ、BLなの?
そのマンガ、百合なの?

と聞かれたとき悩むことがあります

知らないひとのために簡単に説明しておくと、男性同士の恋愛を描いたものがBL(ボーイズラブ)。女性同士の恋愛を描いた作品は百合と言われます。そういうマンガのジャンルのお話ですね。
男性同士で、そこに恋愛感情はないけれど、互いに信頼しあういわゆる「バディ」のような関係性をつくりだしている作品には「ブロマンス」という呼称があります。一方、女性同士が仲良くしているだけの作品には「友情」という表現しかありません。ここいびつですよね。今回はふれませんけど。

なんにしても、そこに恋愛感情はないけれど仲の良い関係性を描いた作品は普通に存在するわけです

カラミがあったらまず悩むことはありません。なにごとにも例外はあるとはいえ、基本的に友情ではカラミは生まれないでしょうから、カラミがある作品は「BL」ないしは「百合」と言っていいでしょう。

問題はカラミがない場合。
気のおけない関係が描かれ、一歩間違えば恋愛関係に見えなくもない。しかしそれをBLないしは百合と評していいのか。それが今回のわたしの悩みなのです。


そもそものきっかけは音楽と、その黄緑の紙面を武器に今年、破竹の勢いで人気をのばしている作品、『気になってる人が男じゃなかった』です。

この作品、音楽好きな高校生の女の子が、CD屋の黒ずくめの店員を好きになるところからはじまります。しかしその店員はじつは同級生で、すぐとなりの席に座っている女の子だったのでした、というお話。

じゃあこれは百合なのか、百合じゃないのか。
そう考えだしたら悩んでしまったわけです。


上のほうで少し触れているように、わたしのなかには百合やBLかどうかを分ける基準があります。それは「そこに恋愛感情があるかどうか」という点です。
「恋愛感情ってそもそもなによ……」とか言いだすと話が終わらないのでそこは割愛しますけれど、とにかく「恋愛的に好き」という意思をもって描かれていれば、それはBLないしは百合に該当してくるのではないかと考えているわけです。

その目線で『気になってる人が男じゃなかった』を見ると、序盤、黒ずくめで音楽の趣味がいい店員に「惚れている」のはほぼ間違いありません。そこに恋愛感情はあったと思っていいでしょう。――が、ほどなくして「彼」ではなく「彼女」であったことが明かされます。

するとそこまで露骨に「好き」を公言していたのに、「好き」という感情が正しいのか自分でも測りかねるように逡巡している姿が増えてきているように思えてきます。というか性別が判別してからは、わたしの目からするとどちらかというと「友情」らしい接しかたをしているように見えます

好きになったら男でも女でも関係ないじゃんという思いはあるし、べつにどちらであっても作品の良さには関係はありません
ただそれをジャンル分けようと思ったら、なんらかの基準は必要。そしてその基準を「恋愛的に好きかどうか」に置いていると、そこに描かれているのが恋愛的に好きなのか、そうじゃないのかが気になってしまうわけです。

「そんなの読み手が勝手に思ったらいいじゃないか」というのは百も承知ながら、「この作品は百合です!」とか「BLですね!」とかどこかに書いて出すときには、それなりの根拠が欲しくなるわけなんですね。

さて――、みなさまはどう思いますか?(笑
あ、ちなみに事前にとったアンケート結果はこんな感じでした。

ちなにみわたし的には、いまは「あれ?これは、じつは百合ではないのでは……?」と思っているところです。まあ先の展開次第なんですけどね。


#エッセイ #コラム #マンガ感想文 #音楽 #オススメの本 #マンガの話がしたい

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