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UXピラミッドで考える、ロンドンで見つけた身の回りの"いいデザイン" - 実用編 -

こんにちは、株式会社アジケでUIデザイナーを担当していますサイトウです。

先日、シルバーウィークに10連休を頂き、親戚が住むイギリス/ロンドンに1週間観光に行って参りました。

短い期間の旅行でしたが、写真などを見返していたら、デザイン目線でもいいなぁと思う物や仕組み、体験がたくさんあったなぁと感じます。

総じてロンドンはいい街だなぁと感じることができたのですが、なぜそう思えることができたのか、『UXピラミッド』に当てはめて分析してみようと思います。

ロンドンの繁華街SOHOの一角🌈


UXピラミッドとは?

UXピラミッド

UXピラミッドについて簡単に補足すると、
良いサービスや商品をデザインしたいなと思った時、このピラミッドの下の層から順に満たしているか確認しながら開発を進めると、最終的に良い商品/ユーザー体験、価値を作り出すことができると言われている一般的な指標です。

レベル1〜3の下層部はデザインをする上でのマスト要件となり、レベル4〜6の上層部はなくても機能はするが、あったら嬉しい要件となります。

まずは下層部の基本的な実用性を担保することが求められますが、上に上がるにつれ感情に訴えかけることができる要件となるため、
この上層部をいかに工夫できるかで、そのデザインの個性が光り付加価値を生み出し他のデザインと差別化ができると考えられます。

またご存知の方も多いように、UXピラミッドの要件は下から順になるだけ多くの層を満たしていくことが重要なため、ツール一つにつきどれか1つだけの要件を満たしている状態はあまり存在しません。

しかし今回はあえて遊び心を加え、
ロンドンという街ごと『人間が生活するためのツール』として考えたら・・・を前提としています。
そして街中にあるそれぞれのデザイン、仕組み、機能がどのレベルの要件を満たすことに貢献しているのかを考えてみました。

それではレベル1 から順に紹介していきます。

【レベル1】機能的である

マスト中のマストとも考えられるレベル1では、
そのデザインがユーザーのニーズに沿っているか、
基本的なアクセシビリティが担保
されているかが求められます。
このレベルに貢献しているなと思ったデザイン、仕組みは下記の2つです。

■多様な肌の色に合わせた日用品
多様なルーツを持つ人々が集まるロンドンでは、メイク下地、絆創膏などがどんな肌の色にもフィットするような豊富なカラーバリエーションが揃っています。
これら美容系のものは趣味趣向品といったらそれまでですが、肌や髪の色に合わせることが前提要件と考えると、そのマストのニーズを充分に満たせているデザインだなと感じます。

大型プチプラコスメショップでのメイベリンの品揃え
大型ドラッグストアの絆創膏コーナー

またヘアカラー剤もブロンドの中でもプラチナよりの色味、黄味が強めの色味など、日本よりも細かくブロンドの色味を選択できる品揃えでした。

ヘアカラー剤


■脱炭素対策がなされた車道
ロンドン市内を車で進んでいると、『ここから先はローエミッション道路です』といった表示が見受けられ、二酸化炭素の排出量を抑えるためにガソリン車は通行量が課金される仕組みがありました。
街には無数のカメラが設置されているため、人力ではなくカメラでどの車が通ったか解析し、後日個人宛に請求がくる仕組みです。

※画像はwikipediaから

参考:https://en.wikipedia.org/wiki/London_low_emission_zone

イギリスは、「温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする」というマストな目標を掲げており、それに対して着実に解決策を街に実装していることが伺えます。

もちろん、電気自動車であるテスラは通行料無料。
日本も近々そう言った未来が来ることも考えられますね。


【レベル2】信頼できる

レベル2では、使用する時の安全性、一貫性があり安心して使えるかが満たすべき要件となります。

■地面の道路標識

LOOK RIGHT →

日本でも車道の地面に白字で止まれと書いてある光景をよく見ますが、ロンドン市内では信号を渡る歩道の地面どちらから車が来るかがわかる文言が表記されています。

車が右からくる信号の場合は「LOOK RIGHT →」左の場合は「←LOOK LEFT 」、たまにどちらからもくる場所の場合は「←LOOK BOTH→」

遠い日本から訳もわからずやってきた人にもわかりやすく、さらに昨今ではスマホを触ることにより視線が下を向いている人が多い現状を考えると、安全に渡れると安心して渡ることができる仕掛けの一つだなと感じます。


■赤信号になる前までのカウントダウン表示
ロンドン市内の信号では、青信号から赤信号に変わる際、秒数のカウントダウンが表示されます。

※画像はYoutubeから

参考:https://youtu.be/u2VCEdzD1Vs

細い車道が複数本入り乱れる中、ものすごい量の人が行き交う場所では、
渡るか渡らないかを瞬時に判断するための安心材料となるなと感じました。
ただ日本の様に音がないため、音声ガイドも付ければ視覚障害を持つ方にも移動しやすい街となるだろうと感じます。


【レベル3】使いやすい・わかりやすい

レベル3では、操作性がよいか、一貫性があるかがポイントになります。
ロンドンでダントツで使いやすい!わかりやすい!と思ったのはやはり電子マネー決済の浸透具合でした。

■電子マネー決済 @店舗
ロンドンでは、日本以上に電子マネーを使う文化が浸透している現状を強く実感しました。

レストランやスーパー、雑貨屋さんでは当たり前の様に電子端末が用意されているため、カードや電子マネーを使えるのか迷うことがありません。

なんと店だけでなく、駅中のストリートミュージシャンや、個人が出展する様なフリーマーケットでもワイヤレスのタッチ決済端末を当たり前のように用意されている光景がありました。

自分は声が通りづらいため、日本では会計時に毎度○○ペイで!!と頑張ってバリケード置くのスタッフさんに伝えるのが少々大変です。
またコンビニではタッチパネルで6つくらいの選択肢の中から決済方法を探したりするのも面倒だなと感じてしまうのですが、その点ではロンドンはとても楽で買い物がしやすい街だなと感じました。

■電子マネー決済 @地下鉄の改札
全ての路線ではないですが、ロンドン中心部の地下鉄の駅ではGoogleペイを始め主要なカード決済に対応していました。

地下鉄の改札

タッチする部分に図と一緒に決済可能な手段を図付きで説明されているのはとてもわかりやすく、ロンドンに始めて行ったリテラシーが低い自分でもわかりやすく、移動がしやすい街だなと感じました。


■ペットボトルのキャップと飲み口
ロンドンで流通しているペットボトルの水の飲み口は、6:4くらいの割合で水筒型?のキャップのものが多い印象を受けました。
ペットボトル本体を片手で持ち、親指一本でキャップの開け閉めができる設計です。

水筒タイプの蓋

日本では蓋を回して本体と完全に分離させるタイプのものが主流ですが、両手が必要な設計であることや、キャップを落としてしまい探したり洗って付け直したりする手間があるため、個人的には水筒タイプのものが飲み易いと感じます。


最後までお読みいただきありがとうございました!

今回はレベル1〜3までの、マストであると良い要件について、「実用編」として紹介いたしました。

次回はいよいよ情緒的価値を追求していくレベル4〜6について、「ワクワク編」と称して紹介させていただければと思います。

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