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こども×デザイン思考: 大切なものをしまえる宝箱を作ろう | 言葉を形にするデザインワークショップ vol.2

初めまして。ajikeに入社してちょうど半年になります、UIデザイナーのすえです。よろしくお願いします。

先日、ajike社内で「こども×デザイン思考」のワークショップ第2弾を開催しました!

第1弾については下記の記事をご覧ください。
ワークショップの内容や当日の様子だけではなく
・なぜこども向けデザインワークショップを始めたのか
・デザイン教育を学ぶことによってどんな効果があるのか

などのワークショップの準備の様子も公開しています。

第2弾の今回はワークショップ当日の様子第1弾からパワーアップした点、また参加してくれたこどもたちの親御さんの感想などを紹介します!


ワークショップのテーマは「大切なものをしまえる宝箱をつくろう」

それぞれが大切にしているものを持ってきてもらい、その「大切なもの」をしまうための宝箱をテーマに沿って制作する、というワークショップです。

このワークショップを通して、【なぜ?どうして?と考える力】、【あたらしいアイデアを考える力】、【立体を考える力】、【実際に作る力】などを学ぶことができます!

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今回は小学1年生〜4年生の8名のこどもたちが参加してくれました!

ワークショップの流れ

今回のワークショップの流れはこちら
 1. 「宝箱」のテーマを考えよう!
 2. 「宝箱」のアイデアを考えよう!
 3.  設計図を書いてみよう!
 4.  作ってみよう!
 5.  発表しよう!


1. 「宝箱」のテーマを考えよう!

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まずはどういう宝箱を作るのかテーマを決めます!
このパートでは大切なものをよく見てイメージを膨らませる観察する力が鍛えられます。

テーマはそれぞれ自由に選んでもらいました。迷った時の参考として「かわいい」「かっこいい」「未来的」の3つ例を用意していたのですが、ほとんどの子は自分で考えたテーマに決めていました。

「古い・海賊」「キラキラ・ふわふわ」「ふつう」など…
個性いっぱいなテーマが出てきました!

前回は「かっこいいロボットを作る」という全員同じテーマで制作しましたが、今回は自分たちで考えて決めることで自主性が生まれ、制作に力が入るのを感じました。


2.「宝箱」のアイデアを考えよう!

先ほど決めたテーマからどんな宝箱にするか、言葉を深掘りしながらイメージを固めていきます。
このパートでは抽象的なテーマの意味を考えて、具体的なイメージを言葉にする力や、物事を分析する力アイデアを考える発想力が鍛えられます。

こどもたちが考えやすいように、ajike専用のワークシートを用意しました。

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「古い・海賊」っぽい色ってなんだろう?
「キラキラ・ふわふわ」なものってなんだろう?

それはどんな形や見た目をしているだろう?

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みんな、一生懸命考えながら書き込んでいきます。
「木でできている」「丸い」などの言葉で書いたり、上手に絵を描いたり、思いついたイメージを自由に形にしてくれました!

また、今回作るものは「宝箱」。
みんなに「大切なものを守るためにはどうする?」という機能面のアイデアも考えてもらいました。
「宝箱を二重にする」「鍵をつける」「宝箱の内側に綿を詰めて隠す」
など、面白いアイデアがいっぱい出てきました!

見た目に関するアイデア(テーマ)と機能面のアイデア(どうやって守るか)、両方が出揃ったところで…


3. 設計図を書いてみよう!

出したアイデアをもとに、宝箱の設計図を書きます。このパートでは、思いついたアイデアを形にする行動力や、立体をイメージする空間認識力が身につけられます。
まずは宝箱の土台となる箱を選びます。

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大切なもののしまい方や、数や大きさ、重さなどを踏まえて箱を選んでもらいました。

そして、JAMZAさん制作の箱の図が描かれた専用のシートに「宝箱」のアイデアを考えよう!で出たアイデアを書き込んでいきます。

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アイデアのシートと見比べながら、いろえんぴつで色をつけて、
形を描いて、大切なものを守るための機能も書いて…
真剣な表情で宝箱の設計図を完成させていきます!


4. 作ってみよう!

お待ちかねの工作タイム!
このパートでは、手を動かして試すチャレンジする力や、アイデアを形にして最後まで作りきる成功体験を得ることができます。

JAMZAさんにも協力いただき用意した、カラフルでバリエーション豊富な素材を使い、設計図を見ながら宝箱を作っていきます。

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宝箱を装飾するリボンをテープで貼ったり

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梱包材を利用して宝箱につけるパーツを作ったり
設計図と見比べながら「これじゃない」「違うものを使ってみよう」と試行錯誤を繰り返し、時にはお母さん・お父さんに相談しながら夢中で宝箱を作っています!会場にはたくさんの笑い声が響いていました。

前回はテーマからいきなり素材を選んでもらったため、やや素材ありきの制作になってしまったという反省があったのですが、今回は設計図を書いたことにより、出したアイデアがしっかりと工作に反映されているのを感じました。


5. 発表しよう!

作った宝箱のテーマやアイデア、工夫したところなどを、宝箱を見せながら発表しました。その一部をご紹介します。

海賊の宝箱
この宝箱は、大きい宝箱をドラゴンが守っており、その中にもう1つ小さな宝箱が入っているという二重の宝箱!しっかりと大切なものが守られています。「古い・海賊」というテーマに合った、渋くてかっこいい宝箱に仕上がっています。

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キラキラでふわふわな宝箱
この宝箱は「キラキラ・ふわふわ」をテーマに、外をキラキラなテープで装飾して中は雲をイメージしたわたをぎっしり詰めています!大切なものであるたまごっちが休むためのクッションと、箱の中でも怖くないように蓋にライトをつけてあげるという、優しさの詰まった宝箱です。

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手紙の宝箱
この宝箱はもらった大切な手紙をしまうための宝箱。ゴムで結んだ宝箱の鍵は、普段はブレスレットとして身につけられます!手紙がたくさんしまえるようにあえて大きな箱を選びました。これからのことも考えた、工夫がたくさんある宝箱です。

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どの宝箱も世界で一つだけの、素晴らしい宝箱でした!
クオリティの高さにスタッフもびっくりです笑


前回からのパワーアップ

ワークショップ第1弾を通して、改善すべき点・挑戦したい点が沢山出てきました。それらを踏まえ、今回のワークショップ第2弾でパワーアップしたポイントを紹介します!

その1:建築事務所JAMZAさんの協力!
今回は、現在のアジケのオフィスを一緒に作ってくれた建築事務所JAMZAさんにご協力いただきました!
立体物を作るプロである建築家さんのノウハウとデザイン思考を組み合わせたワークショップを実現するため協力をお願いしました。お陰様でとても充実したワークショップに仕上がりました!
▼JAMZAさんと一緒に作ったアジケのオフィスについてはこちらの記事をご覧ください!

その2:見た目だけでなく、機能面のアイデアも出してみよう!
第1弾は『「かっこいい」ってなんだろう?』というテーマのもと「かっこいい」という抽象的な言葉を分析してロボットを制作するというワークショップでした。
今回は見た目だけでなく、機能面についての発想力も鍛えられるよう「どうやったら大切なものを守れるか」という視点も取り入れたワークショップになりました。

その3:機能やテーマから、設計図を書こう!
今回新たに考えたイメージを設計図に書き込む工程を追加しました。設計図を作ることにより、宝箱を作る工程でも前の工程で出てきたアイデアを思い出すことができ、前段の工程を反映しやすくなりました。また、設計図を書くことにより立体をイメージする力、空間認識力も鍛えられる内容になりました。


ワークショップを終えて

今回も参加した方々からたくさんの嬉しいご感想をいただけました。本当にありがとうございます!
また、ワークショップの第1弾と第2弾の両方に参加してくれたお子さんのお母さんから嬉しいご感想をいただきましたので紹介させていただきます。

宝箱を如何にして作ったかについて、帰宅後から翌日まで、ずーーーーっと話をしていました。宝箱は、時々開けては新しいオモチャを入れて大切そうにソッと自分の棚に置いています。」
「夏にお邪魔させて頂いてから、設計図とまではいきませんが、ワンクッション何かしらのイメージをしてから作るという流れでものづくりをするようになっています。」
ワークショップを通して、小さな「面白い」「ワクワク」というものが積み上がっていき、豊かな発想や表現、感性が育っていくと良いなぁと思っております。」

ワークショップで伝えてきた「観察」や「仮説」といったデザインの工程やその面白さが、参加してくれた子の中で活きていることを実感できました。

今回のワークショップでは箱と大切なものの関係を考えたり、大切なものを守るための機能的なアイデアを出すことが必要となりました。それにより立体物を「観察」して機能のアイデアを「考え」、設計図に書いて「試す」といった前回よりもデザインの工程をこどもたちに体験してもらえるワークショップになりました。

今後も第3弾、第4弾とデザイン思考を体験できる様々なワークショップをお届けできればと考えておりますので、よろしくお願いいたします!
(開催する際は弊社TwitterやFacebookなどで告知予定です。ご興味持っていただけたらぜひご参加いただけると嬉しいです!)

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参加してくれたみなさま、ご協力いただいたJAMZAさん、
本当にありがとうございました!

写真撮影:坂田 貴広

こどものワークショップ開催費にします👦