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【読書記録】美貌のひと2

久々の新書。面白かった。


名画を通してそこに描かれた美男美女たちの半生や歴史、あるいは神話、お伽噺を読み解くという内容。


絵は好きだが、美術も歴史も無知に近い私。「面白そう!」という勢いだけでこの本を購入したものの、内容を理解できるかやや不安でもあった。しかし1つ1つの絵画に関する内容は簡潔でわかりやすかったのでこんな私にも楽しく読むことができた。(美術、歴史の知識があればさらに楽しめたと思う)

絵画に描かれた美男美女たちは実在の人物だったり、そうでなかったりするのだが、実在した人物1人1人の人間ドラマがとても面白い。私みたいな凡人からすると美男美女なんてそれだけで「人生イージーモードでしょ!」と思ってしまうのだが、美しいことは時に罪なのか。数奇な人生を送る美男美女の多いこと。もちろん、そういう人物の絵画をあえて選んで載せているのだろうけれど、私の思う「人生イージーモード」な美男美女がほぼいないのは驚きだった。

事実は小説よりも奇なり。というやつなのだろうか。

カタカナの名前がとにかく覚えられないので、今後美術館で本に載っていた絵画を見ても「これは○○○の絵画だ!」と名前まではすぐには分からないかもしれないけど「これ本で見たなぁ。」となんとなく思い出せそうな絵はいくつかあるので、いつか美術館などで展示されている彼らに巡り会いたい。



私がたぶん一番忘れられないと思った絵は、ベアトリーチェ・チェンチ。

第一印象は「可愛い女の子だな」程度だったのに、彼女のことを少し知ってしまってからはその瞳の中に深くて暗い闇が見えてしまって。表情も絶望のような、生きることを諦めたような表情に見えてつらい。どこかの美術館で彼女に会ってしまったら本当に一生忘れられなくなってしまいそう。



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