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5/19

5:21起床。

天気は、曇りなのか晴れなのか……。
遠くの方の雲が、分厚い。
こちらの方は、雲がかかってないのに。
空が、分断されている。

昨日見た夢。
マツコ・デラックスが出演する番組で、『ゲーム実況』が紹介されていた。
(『マツコが知らない世界』とかなんかな)
僕は視聴者じゃなくて、その撮影現場にいた。
しかも、スタッフじゃなくて、共演者として。
出演したゲーム実況者は、たしか4人くらいだった。
『Gang Beasts』っていう海外のゲームを、
その4人がわちゃわちゃ遊んでいるのを、傍らで見ていた。

体の調子は、なかなかいい。
めぐリズムのおかげかな。
スッキリ目が覚めた。
……販促じゃないですよ。

今朝も、多分牛乳しか飲まない。

昨日、タイ式マッサージを受けてきた。
前々から考えていたわけじゃない。
昼過ぎくらいに「行ってみようかな」って、ぷらっと思い立っただけだ。
僕の行動原理なんて、いつもそんなもんだ。

近所にあるささやかなショッピングモールの一角に、その店はあった。
HPは事前に確認していたけど、電話番号が見つからず、予約できず。
はたして。

店は、入り口に立つだけで全貌が見渡せるオープンな空間だった。
空間は左右になんとなく分かれていて、
右側のスペースにベッドが2台、左側のスペースには何も無かった。
奥には、カーテンが開かれている個室が2つ。
『タイ式』と謳うだけあって、アジアンな雰囲気だ。
……誰もいない。
個室の隣にさらにもう1つ部屋があり、扉が半開きになっていた。
多分、スタッフルームだ。
「すみません……」
蚊の鳴くような声しか出なかったけど、
すぐにそのスタッフルームから、女性が1人出てきた。
女性は、さも気怠そうに受付までやって来ると、
さっと取り出した問診票をこちらに押し付けた。
「いらっしゃい」
少しだけ、片言だった。
この店のスタッフは、全員タイ人らしい。
「お客さん、初めて?」
……いかん、いかがわしい店を想像してしまった。
はい、そうですと返事してささっと問診票に記入した。

上半身コース、30分。
ベッドの上でだらんとうつ伏せになると、体中の力が抜けた。
なんだか妙なことになったな。
いや、妙なことなんて1つも無いんだけど。
ショッピングモール内なので、
店内放送も、行き交う人の声も全て聴こえる。
すぐそこに、いつもの『日常』はあるのに、
自分だけ『非日常』にいる様は、なんだか異様に感じぐはあ。
……あれ、お姉さん馬乗りになってない?
と思った次の瞬間、お姉さんの両膝が腰にめりこんだ。ぎゃー。
……あ、でも全然痛くない。
というかお姉さん、めちゃめちゃ軽い。
お姉さんは顔の見えない僕には構わず、
太ももの上に乗ったり、腰の上で正座したりした。
これ、どのお客さんにもやってるのかな。
それとも、僕が中肉中背だから、大丈夫だとふんだのか。
まあでも、お姉さんがどういう動きしてるのか分からないけど、
圧がほどよくて気持ちいい。
「お客さん、私の腕つかんで」
「あ、はーい」
後ろ手になっていたので、そのままお姉さんの手首をつかむ。
「いきますよー。せーの、」
バキバキバキ。
……実際にそんな音はしてないけど。
思いっきり勢いをつけて海老反りにされた。
背骨が「し」の字から「く」の字になる様が、頭に去来した。
ああ、これが海老反りダンスですか(?)
それくらいの感想しか思い付けなかった。
頑張れば走馬灯も見えそうだった。何を頑張るんだ。
後は、羽交い締め(のようなポーズ)をかけられたり、
限界まで前屈したり(お姉さんの膝による後押しあり)、
なんやかんやあって、マッサージは終了した。
タイ式って、こんなアクロバティックだったのか……。
サービスで出してもらった緑茶を啜りながら、謎の感慨にふけった。

しかし、ふしぎだな。
僕は基本的に、他人に触られることが苦手だ。
それは決して、特別なことじゃないんだろうけど。
でも、自分が心を開いている人に触られるのは平気だ。
むしろ、安心する。
この違いって、何だろう。
パーソナルスペースってやつかな……。
僕は、『触る』っていう行為は、
何物にも代えがたい、尊い行為だと考えている。
だからこそ、その相手は選びたいのかな。

「ありがとうございました」
会計を済ませると、お姉さんはそっと合掌した。
「コップンカァ」
お姉さんは、最後の最後で笑顔を見せてくれた。
コップンカァ……たしか、タイ語で「ありがとう」って意味だ。
マッサージ、どうもコップンカァ。

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