光る、引かれる(Light Dance/小瀬村晶)

僕はたいてい、なにかしらをPCに打ちこむとき、なにかしらを聞いている。
小説とかエッセイ、打ちこむのが文であれば、なんでも。

最近は、ピアノが主役を務めているものを聞くことが多い。
僕の場合は、小瀬村晶氏とharuka nakamura氏。

小瀬村晶氏の「Light Dance」は、よく再生しているものの一つだ。
「Light Dance」は、氏のアルバム「Tiny Musical」「How My Heart Sings」どちらにも収録されている名曲である。
まあ、当然といえば当然だが、それぞれ編曲が異なっている。

※ちなみに、前者には「Light Dance-home」も収録されている。
 上記二つの「Light Dance」とは風合いが異なる。
 夜長の秋が似合う、と僕は思っている。

好み云々の話はさておき(僕はどちらも好き)、
僕は、この曲を耳にした瞬間、自分が踊り子になったような錯覚に陥る。
蛍が飛び交う中――まさしく光が舞っている中――僕は僕の体を放り出す。はてしなく終わることのないような、
けれど、本当は刹那の内にしかいられない夜へと。

実際の僕はというと、とぼけた顔をして、
こうしてぱちぱちとキーボードを打っている。

けれど「Light Dance」の踊り子になったときは違う。
その場で踊ることはできないから、そのせいなのか、
キーボードを打つリズムが、少しだけ変わる。
それこそ、僕がまさしく耳にしているピアノのように、弾いている。

僕は、ピアノは弾けない。
でも、ピアノに合わせて、キーボードをはじいていることがある。
キーボード。Keyboard。
僕が弾いているのは、もといはじいているのはPCの方だけど、
キーボードは電子の鍵盤楽器のことも指すよね。

キーボード【keyboard】
①楽器の鍵盤(鍵盤)。
②鍵盤楽器の総称。日本では多く電子鍵盤楽器をさす。
③コンピューターの入力に用いるタイプライター状の鍵盤。
――松村明編(2006)『大辞林』第三版,三省堂.

気になって調べてみたけど、
PCの方のキーボードも「鍵盤」に当たるらしい。
まあ、言われてみればそうだ。

けんばん【鍵盤】
ピアノ・オルガン・タイプライターなどの
多数の鍵が一面に並べられた部分。キーボード。
――松村明編(2006)『大辞林』第三版,三省堂.

あと「鍵盤」をキーボードと言い替えることもできる、らしい。
じゃあ、
PCのキーボードを「弾く(ひく)」と言っても差し支えないんじゃないか。
人前で言ったりはしないけどさ。何の話だ。

僕は、日々文を書いたり、打ちこんだりしている。
そしてときどき、文を弾いている。

Light Dance(「Tiny Musical」「How My Heart Sings」収録)/小瀬村晶


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