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相地
2022年6月8日 21:00
ここに、「 」がある。「 」は、誰でも見える。誰でも触れられる。でも、誰に訊いても、言うことが違っている。見聞きしているものは、「 」に違いないのに。それを、寂しいと感じることもあった。幼いころは、特に。けれど、誰のものでもありながら、同時に、自分にだけ見えて、触れられるものでもあった。たとえ、誰かには取るに足りないものでも、ぼくにとっては特別だった。目に見える美しいものは、ぼく