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やっと響けユーフォニアムを見た話

1. なかなか見れなかった作品 

 GWの休日を使って「響けユーフォニアム」シリーズを一気見しました。今期、シーズン3が放映中なことを知り、「いい加減見てみるか….」の気持ちで1から見ました。
 ユーフォは昔から有名でアニメ・演奏のクオリティが高いというのは知っており、いつか見たいなという思いはずっとありました。しかし、元吹奏楽部員(小学~高校)だった私は、自分が長年関わってきた分野の作品ということでなかなか手が出せずにいました。自身が所属していた部は強豪校というわけでは無かったのですが、ユーフォで出てくるようなトラブルの数々を経験したことがあります。ああいうのって学校の強い弱いに関わらずどこの学校でも起こる事なんですよね。当然トラブルを経験して良かったという思いはひとつも無く、大学生になっても自主的に部活の話をするのは避け、蓋をしていました。そんな常日頃から蓋をしている私が作品を見たらきっと苦しくなってしまうと思い、今まで見るのを避けていました。
 もう1つ私が避けてた理由があります。それは現実的じゃないからという理由です。架空の話だから仕方ないのはあるんだけれど、「現実的にみたらこんな短期間で上手くなる訳ない」という感情が先走ってしまい、見れずにいました。やっぱり吹奏楽やってるとどうしても上手く吹けない時があって悲しくて、それこそ一期で久美子が泣きながら「上手くなりたい」って言ってたシーンぐらい悔しい思いするんです。そんな時にこの作品を見たら、「結局は夢物語にしか過ぎない」と感じて腐ってしまうに違いありません。それを危惧した私は、この作品に触れることすらやめていました。

 ですが私が吹奏楽をやめてもう4年経ちます。ぶっちゃけコンクールの課題曲とか、自由曲とかも色々ありすぎていまだに聴くことが出来ないんだけど、もう4年経ったし、いい加減この気持ちにケリをつけるべきだと思って今回鑑賞することにしました。

 



 


2. 感想

 一通り鑑賞し終わって思ったことは、「吹奏楽って良いな」という純粋な気持ちでした。なんかとっても浅はかな感想だなと自分でも思います。でもこの気持ちは、吹奏楽をやめた私には無かった感情でした。
 印象に残った言葉の1つに、誓いのフィナーレで久美子が後輩に言ったセリフがあります。

いつだって頭をよぎるよ
やってもダメかもって 叶わないかもって
こんなに練習して結果が出なかったらどうしようって
でも、私は頑張れば何かがあるって信じてる
それはぜっったい無駄じゃない
 


 これは過去にオーディションで苦しい経験をした久石奏が、わざとオーディションに落ちることで先輩の中川夏紀にコンクールメンバーの座を譲ろうとしたシーンで、黄前久美子が久石に言った言葉です。

 実際努力したことで必ずそれが報われるっていうのはないと思います。私もそれは部活やってた時に痛いほど経験しました。何度も練習したのに先生にブチギレられて「そこ吹くな!」って説教喰らったり、ソロのオーディション落とされたり、むしろ上手くいかなかったことの方が多いくらい。それこそ久石みたいに先輩追い越してコンクールのオーディション受かったら、「何で貴方が受かったの?」みたいな視線を向けられることも多々ありました。
 だから努力することなんで無駄だ、結局良い思い出よりも悪い思い出の方が多いから…..と今の今までずっと思ってきました。

 けど、その思いはこのシーンをみたことで変化しました。努力したことでその時報われるということが無かったとしても、「努力したこと」自体が必ず人生の糧になっていくのだと。たとえその時成功しなかったとしても、何年・何十年たった時に「あの時努力して良かった」って思える時が来るんだと。「それって何年も経ったから言えることじゃん」って昔の私に怒られそうだけど、あの時あの場所で泥臭く地道に頑張った経験は無駄じゃないんだと。そう思うんです。
 

 今は大学生で学校生活やらサークルやらをやってるわけなんですけれども、吹奏楽やってた時のように何かに熱心に打ち込んでることは、多分無いです。時間的な問題や人間関係の問題(そもそもサークルは部活ほど真面目な雰囲気では無いので)、沢山理由はあるけども、吹奏楽やってたぐらいの、もしくはそれ以上の熱量で、大人数で1つの事に取り組むって今後生きてる中であるのかってぐらい貴重な経験だと思います。仲間と共に曲に向き合い、時に衝突しながらも成長していったあの期間は間違いなく宝物なんだと気づきました。この時、吹奏楽をやめてからも私の事を引きずっていた何かがとれたような気がしました。


3. おわりに 


 私は就活をしている時期でもあったので、この時期にユーフォを見れて良かったと思います。行きたいと思ってた企業からお祈りされたり、面接うまくいかなかったり、失敗ばっかしててもう頑張っても無駄なんじゃないかと思ってたけれど、久美子の言葉を胸に、もう少し頑張ってみようと思います。あと3期ちゃんと見ます。今日の夏祭り回(多分)楽しみです。


4. 余談ですが、気になったこと


・久美子の声優さんが凄いなと思った。絵との乖離が一切なく自然な演技ができているのにとても驚いた。
・久美子見てると部長がどれだけ大変なのか思い知らされる。現役時代の時に部長やってくれた人たちに改めてありがとうと言いたくなった。
・葉月ちゃんは努力の子だと思ってる。高校生から始めたのに急に「全国大会出場」とか言われて正直びっくりしたところはあるんじゃないかと。それなのに地道に頑張って、3年生で新入生指導係やるまでに成長したのは尊敬する。努力する人はカッコいいよ。
・塚本と久美子、1回付き合って別れたけど理由がちゃんとしてて偉いなって後方腕組みおばさんになってた。ああいう風に思ってたのは久美子だけかと思ってたんだけど塚本も同じこと思ってて、2人とも真面目だなと思ったのと同時にあんなに沢山の事同時並行できないよな…とも思った。
・高坂さん、ドライに見えて恋愛面では全然ドライじゃないの面白い。滝先生への感情もそうだけど、塚本と久美子のことちゃんと気にかけてるのが意外だった。全国大会の時の告白(?)も良かった。
・後藤先輩と梨子先輩、良いです。とても
・中川吉川ペア、全国行けなくて泣いてるシーンが印象的だった。あのとき吉川超泣いてるのにみんなの前では涙ひとつ見せない根性に感動しました。
・あすか先輩何考えてるのか分からなさ過ぎて終始怖かった。でも久美子が部活に引き戻してくれたおかげでパピーの言葉も聞けて、本当に良かった。
・小笠原先輩のソロ良かったです。バリトンであのソロできるの凄い(素人意見で恐縮)
・リズと青い鳥みたあとに誓い見たんだけど、みぞれが青い鳥になった演奏を本番でもしてて、「あ〜〜〜〜のぞみ;;;;;;;」って気持ちになってた。みぞれを吹奏楽に誘ったのはのぞみなのに、いつのまにか飛び立ってた気持ち考えると切なすぎる。


また思い出したら追加します。



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