#57 ”色”は脳で作られる?

前回のnote記事で色の数について書いたのをきっかけに、久しぶりにお気に入り録画番組を見かえしました。地球ドラマチック(ETV)の「“色”は脳で作られる! 〜あなたと私は同じ色を見ているの?〜」で9年前の放送された番組です。イギリスBBC制作番組 ”DO YOU SEE WHAT I SEE?”の日本語吹き替え版です。番組「地球ドラマチック」は、我が家の子供がまだ小さい頃、毎週よく一緒に見ながら”ヘェ〜”と言いながら、ビックリして喜んでいたものです。

 録画番組の中では”色の恒常性”など有名な話に加えて、アフリカのナミビア北部に住むヒンバ族の人々の”言葉の数と色の区別”の話題が、一番スゴイなーと思います。サバンナに住むヒンバの人々が用いる言葉では、色を区別するための言葉の数は5種類だそうです。番組取材のイギリス人とヒンバ族の人の間で、色を区別する実験を行いました。色が塗られた複数の四角形から、一つだけ色の違うものを選ぶテストです。まず、緑色の中で一枚だけほんの少しだけ違う緑色のテストでは、ヒンバ族の人は迷わずにすぐに正しく区別していました。イギリス人や日本人には、とても難しい色のほんの違いを一瞬で区別できます。これには理由があり、彼らは、よく似た緑を別々の色の単語を割り当て区別していたのでした。二つ目のテストは、複数の緑の中に”青色”を一つ混ぜた、我々にはとても簡単なテストでした。これがヒンバの人々には、「わからない」と答えるしかないという結果が驚きです。我々には、あの緑とこの青なら、違いは明白に思えます。ヒンバ族の人々はは、この緑と青は同じ言葉で呼び、同じ色に見えているのです。ウッソぉ〜、と今も叫ばずにいられません。日本語の番組タイトルの「“色”は脳で作られる!」 がまさに当てはまっています。言葉が違うということは、そこに注意が払われています。逆に言えば、言葉が同じということは注意が払われていないので区別がされないということです。(「わかめ」と「こんぶ」の例と同じですね。詳しくは、note記事「ワカメこわい」

 色を感じるのは、物理量ではなく感覚量です。「色覚」と呼ぶのはこのためです。光センサーで数値化できるように思いますが、”脳がどう感じるか”で大きく影響を受けます。”言葉”が文化や習慣で違うように、”色”も、生活している土の色や樹木の種類・量、空の色、雨量・積雪量、夏と冬の日照時間、植物の開花や落葉などなどによって影響を受けるとおもいます。脳に影響する原因で言い換えれば、“色”は、土地・天候・文化で作られる!” と言えると思います。、、、9年前の録画、次は何年後に見るかは、その時の私の脳が決めるに違いありません。(DVDプレイヤーが壊れていなければ、、、)