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カイコ(仮)

カイコ(仮)

君がいつものように
ピアノを弾いてる
チャイムが鳴ってたら
ピアノの音が静かに

僕は音が聞きたく
いつも音を聞きに
僕は君が見たくて
いつも君を見に

寂しい音が胸を打つ
哀しい音が胸を打つ
枯れて錆びた音が響く
君が泣き出しそうだよ

サビ(?)
君の声を聴かせて
この青い大空に響かせて
君がいつもの優しさで
笑みを残らせてくれ

この笑顔が枯れる前に

思い出して光るのは
3月に光る、糸の先



君が静かにピアノを
糸を優しく引っ張る
ピアノがゆっくりと
天井から鳴き続ける


僕の恋は故意と言えても
君の恋は故意でなければ
何も言えずに僕達は
また歩き出すだろう?

夢じゃない、と言いたくて
夢のせいにしたくて
なんてやっぱり言えなくて
目を伏せて笑うんだろうな


僕は優しくはなれない
この糸にぶら下がっている
時間が終わり切れてしまえば
君とはさよなら


サビ(?)
君の声を聴かせて
この僕と空に響かせて
君がいつもの笑みで
僕を殺しておくれ

この笑顔が枯れる前に

思い出して光るのは
4月に消える、糸の先



この夢で覚めないで

この夢で殺さないで

この夢で溺れないで

この夢で…

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