ある研究関連の講義(3年編)その12

今回の講義は、「ボロンの正20面体クラスター固体の構造と物性」と「希土類特有セラミックスナノ粒子発光の基礎と応用」に関する研究についてである。

まず、ボロンは5回対称性と6回対称性が共存することで特異的な性質を持つ。例えば、超伝導性がその一つである。また、この構造はアモルファスと結晶などの結合が得意ということや、クラスターを単位として空隙が多く欠陥構造が多いという性質を持つ。Bについては、Vをドープすると金属的な性質が現れるということが知られているが、LiをドープすることでVを追い出すことができるということが研究を行なったことで分かったという。これは、フェルミエネルギーを上げるために、拡張された自己補償効果が生じたためであると推定されるという。

次に、ナノ粒子発光の研究については、現在、バイオイメージングに関する研究を行なっている。その際に原理としてアップコンバージョンという性質を用いている。これは、赤外線を当てることでエネルギーが励起され、このエネルギーが安定状態になる時に可視光が発せられるという性質である。つまり希土類イオンの離散的な準位を利用して赤外光を可視変換するということで発光させる。主に、この研究室では、この性質を利用した蛍光体の開発を行なっている。

また、この研究室では、偏見のない正しいイメージから材料と機能とプロセスの研究を行なっており、そのために論理的なアプローチと実験的なアプローチを重んじている。

今回の講義を聴いた感想は、まず、今回の講義を聴いて、特に後半の話が面白そうだと思ったが、どちらかというと今回の講義におけるいくつかためになる話の方が心に響いた。

まず、「使う」人を意識した材料開発ということが最も心に響いた。確かに世の中には明らかに「作り手の認識不足」で設計したようなものがある。例えば、夏になると電力会社から電気の使い過ぎということでクレームが来るため、使用できない日があるとある研究所がその典型的な例であるといってもよい。このようなことにならないため、我々は常に使い手のためのことを考えなくてはいけないと思った。(このレポートは果たして本当に読みやすいのだろうか?)

また、他分野の人と共同で作業する時に折合う方法が一つ分かった。証拠を見せること、論理を展開ことのどちらを重視して話すか、このことは話す相手により、強調点が異なるということが分かった。

というような内容だった。

それにしても・・・この研究も考えてみると面白かったのかなと思っている。まあ、今だから、いろいろと言えるのかもしれないけど。

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