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セブ島・ロックダウンから緊急事態宣言後の日本における観光業界を考察してみました

【今後の観光業界についての考察】を閲覧頂きありがとうございます。元ウルトラマン隊員でCEOをしている三好真と申します。日本では本日夕方にも緊急事態宣言が出される様ですね、日本の政治家がようやく重すぎる腰を挙げての発令かと思います。先月から現地法人を作りにセブ島へ来ていたらロックダウンとなり、ホテルから一歩も出ない生活が今日で1週間過ぎました。日本とフィリピンでは環境が違いますが、共通点がありそうな点について触れた上で日本における観光業界について考察したいと思います。日本では法的拘束力がない為、日本の緊急事態宣言とセブ島のロックダウン違うという意見が多数ですが、現在のニューヨークの惨状を見ていると法的拘束力なしに同じ様な状況が起こりうる可能性があります。

世界中で5,000万人の雇用が失われると推測される観光業界

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2020年3月17日のロイター通信記事によると世界中の旅行業界で働く人材の中で5000万人の雇用が失われると試算されている。その内、3000万人がアジア圏内であり、700万人がヨーロッパ圏内、500万人がアメリカ圏内、その他地域が800万人という試算である。そんな中、世界で旅行したいシティランキングトップ77位のセブ島(2020年にEuromonitorより発表)ではまさに雇用喪失危機の真っ只中。現在、セブ島の観光地のほとんどは閉鎖されており、ツアーガイドだった人達は今やFood PandaやGrab Food(Uber Eatsの様なフードデリバリーサービス)のドライバーとなってセブ島内で食事を届けている現状だ。3月中旬より世界最大のバケーションレンタル企業であるAirbnb社のサービスにも変化が出てきた、3月中旬よりロックダウン後の宿泊先を探していた私はコンタクトした希望の宿泊先から何度もキャンセルを受けることになった。理由はAirbnbのポリシー変更であり、短期の宿泊が認められなくなったことである。コロナショックのおかげで1年以上の長期滞在以外がセブ島の民泊で認められなくなった。当然ながら、1年以上の宿泊ができる人は滅多にいない、民泊業界もセブ島では大打撃である。日本でも3月15日以降にポリシーが変更されており、民泊事業をされている方は念入りにAirbnbなどサービス元のポリシー変更をチェックされることをお勧めしたい。

セブ島ではホテルの宿泊に関しても制限が先月が出ている中、幸いにもホテルを予約できた私は、宿泊先のホテルでも環境の変化を感じている。普段は外国人で賑わっているセブ島中心地にあるOne Central Hotelにおいて、外国人の帰国ラッシュによりセブ島のホテルでは中流階級以上のフィリピン人が長期間宿泊、全体の宿泊者の中の9割以上をフィリピン人が占めている。例えば、朝食の場を見渡すと100人いる人のうち全員がフィリピン人っぽい人々である状況など日本人から見ると異様な空間だ。日本においてもコロナショックによりインバウンド需要が6割減(日本政府観光局によると2020年2月の訪日外国人観光客数は、新型肺炎の影響で前年同月比58.3%減となる108万5100人)という数字が出ている。一方、6割減という数字はまだ需要減少の序章に過ぎない。セブ島では9割以上の観光地が閉鎖、他国からの入国は一切禁止の状況、インバウンド需要は9割以上減少といったところである。先週末の土日で100人以上の感染症者数を記録した東京や日本全体での増加率や緊急事態宣言を鑑みると、インバウンド需要は6割減どころでは止まらない、4月以降は8割減になることは目に見えている。

日本における緊急事態宣言後の観光業界について

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セブ島ではロックダウンの名称を「Enhanced Community Quarantine」と呼んでおり、セブシティ(セブ島での中心都市)の期間は3月28日から4月28日の間、ラプラプシティ(セブ島の国際空港がある都市)の期間は3月29日から4月14日(4月7日に4月28日まで延長された)までである。セブ島への入国はいつから開始という点についてはまだ触れられていない一方、出国は可能な状況である。しかし、セブパシフィックやフィリピン航空で3月30日、4月1日の便を予約していたがキャンセルとなり、私はロックダウン中のセブ市内にまだ滞在している。幸いにもセブ島全域では急激な感染者増加など見られない。しかしながら、セブ島だけでなくフィリピン国内への入国は当分認められないか、認められても現地で隔離される可能性が高い。この状況を鑑みると、セブ島における観光業界は人々が思っているより疲弊するに違いない。また、一度入国を許可した後に感染者が出たとしたら、またロックダウンということも現実的である。

セブ島の観光客の国別ランキングトップ3は韓国、中国、日本の順であり、まさにコロナウイルスの影響をアジア圏内でも深刻に受けている地域である。日本の観光客の国別ランキングトップ3は中国、韓国、台湾であり、同じ様に日本の観光地でも影響が出ている。中国や韓国ではCOVID-19に関して新規感染者数の減少を発表している一方、国の隠蔽体質を鑑みると少なく見積もっている可能性も捨てきれない。こちらのフィリピン人に話を聞くとやはり中国や韓国の現状を信じていない様だ、残念ながら日本に対する見方もPCR検査の実施数の少なさからみても同じ状況である。日本の東京でNYと同じ様なオーバーシュートの状況となれば、訪日観光客の国別ランキングトップ3カ国は日本への渡航禁止を当面の間続けるだろう。国と国が疑心暗鬼の状態が続くと考えられる為、少なくとも2020年はコロナショックイヤーになると思われる。

コロナショックの中、観光業界はどうすれば良いのか

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世界はオフラインからオンラインでのコミュニケーションへと動いている。ネットを使った米国発のテレビ会議システム「Zoom」ではわずかここ3カ月で20倍の2億人ユーザーとなり、テレビ会議システムの熱狂ぶりがうかがえる。リアルが売りの観光業では、その場にいく必要なく観光地を楽しめるサービスが増加するだろう。過去にインターネットの出現により倒産が相次いだリアル店舗企業の様に、コロナショックの影響により倒産が相次ぐリアルに重点をおいた企業が増えるのは周知の事実である。少なくとも2020年はコロナショックによりリモートサービス元年になると思われる。既存概念を切り捨てて、事業の変革を行う年、それが2020年なのかもしれない。VR観光など注目度がこれまで低かった事業など、インターネットを利用した観光サービスが注目されるだろう。

最後に、弊社では創業以来、全メンバーがフルリモートで9割以上活動する形態を取ってきました。フルリモートを実現できる理由は、オンラインでのマネジメント、会議、営業、事業形態であることが挙げられます。弊社ではオフショア開発により、日本とベトナムやフィリピンでクライアントのITプロダクト開発を行う事業や自社プロダクトとしてリモート開発・派遣やリモートフィットネスを運営する事業を行っております。場所や国籍にとらわれない働き方を創業以来、全メンバーで実践、これからもフルリモートメインで事業を行っていく会社です。近々リモートワークについての記事を書いてみたいと思います。ご一読ありがとうございました。

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