「美術」で振り返る2022年:その2(4月-6月編)
こんばんは。
2022年の振り返りですが、年内におさめることができず、2023年にしっかり持ち越してしまっている状況です。
もう流してしまおうか(こら。笑)と心折れてしまっている自分もいますが、なんとか気持ちを奮い立たせて綴っていきたいと思います。
ほぼ自己満足的な記録にはなりますが、よろしくお願いします。
↓これの続きになります。
【4月】
「地中海人ピカソ 神話的世界に遊ぶ」
場所:ヨックモックミュージアム(東京)
会期:2021年10月26日-2022年9月25日
東京出張の合間を縫って訪れた本展。
土地勘が無く、遠回りして歩いて歩いてようやく辿り着くことができました。
閑静な住宅街にひっそりと佇む美術館。
地下1階から地上2階に至るまで、まさに“ピカソ一色”な内容で、特にセラミック作品を堪能できる美術館となっています。
ピカソと言えば、かの有名な絵画作品〈ゲルニカ〉の印象が強いですが、これだけのセラミック作品も手掛けていたとは驚きでした。
1階がカフェ&ライブラリーなのですが、ここの空間がまた素敵で・・・!
店名の「カフェ ヴァローリス」は、ピカソが精力的にセラミック作品の制作に取り組んだ南仏の町ヴァローリスから名付けられていて、この店名を背負ったスイーツ(ミニャルディーズという名の小さなケーキ)「ヴァローリス」なる代物もあります。
店名を背負ったメニューを発見するとついつい注文したくなる性分なので、今回も。
ピカソの作品づくりに対するパワーに圧倒されながら、キュートなケーキとドリンクで糖分摂取し、身も心も満たされた1日になりました。
「ダミアン・ハースト 桜」
場所:国立新美術館(東京)
会期:2022年3月2日-2022年5月23日
2022年、最も印象に残った本展。
とにかくずっと楽しみにしていました。
東京出張を終えて美術館近くのホテルに宿泊し、翌朝、朝一番に駆け込んできました。
展示室の入り口看板が目に飛び込んできた瞬間から、胸の高鳴りが止まらず・・・!
入ってすぐのところに設けられていた子ども向けに作成されたであろう作品鑑賞の手引きからも、本展の素敵さが溢れ出していました。
肝心の作品は、言うまでもない素晴らしさで、まさに“圧巻”の一言。
天井の高い開かれた空間の中に約25点の大型作品が展示されていたのですが、各作品のタイトルが記載された冊子が手元にあるのみで、他に得られる情報は何もないというシンプルな構成でした。
作品に対する解釈は作品を観るものそれぞれに委ねる、ということなのでしょう。
それゆえに、美術に対する理解云々をこえて、老若男女幅広い層の方々が皆平等に楽しめる展示内容だったのではないかと感じています。
全て「桜」という共通点はありながらも、どれひとつとして同じ「桜」はないという面白さ。
中には、〈夏の桜〉や〈冬の桜〉といった非現実的とも言える状況の桜たちも、何食わぬ顔をして他の桜と肩を並べていました。
わたしは、この〈夏の桜〉が好きでした。
展示の最後にダミアン・ハーストへのインタビュー映像が流れていたのですが、その中で特に印象に残った言葉があります。
それは、「この世に“完全なオリジナル”は存在し得ない」ということ。
一般的にオリジナルだとされているこの世のあらゆるものは、実は“完全なオリジナル”ではないのだとダミアン・ハーストは言います。
一見するとネガティブな内容にも取れる言葉ではありますが、ダミアン・ハーストは決してネガティブな意味で捉えているわけではないようで。
というのも、一般的にオリジナルとされているあらゆるものは、ルーツとなる各要素が少しずつ抽出され再構築されたものであって、他の要素をいくつも組み込みながら、また“新たなもの”として昇華された存在になるのだそう。
“完全なオリジナル”ではないけれども、これもまた“新たなオリジナル”と呼べるのかな。
・・・ん〜、難しい!!笑
来場者の皆さま、思い思いに「屋内お花見」を楽しまれていました。
忘れられない、素晴らしい展示でした。
「イスラエル博物館所蔵 ピカソ -ひらめきの原点-」
場所:パナソニック汐留美術館(東京)
会期:2022年4月9日-2022年6月19日
こちらも東京出張の時間を利用して行ってきました。今回2度目のパブロ・ピカソです。
版画から油彩画、水彩画、素描まで幅広いピカソの創作活動を垣間見ることのできる内容となっていて、凄まじい見応えでした。
青の時代、バラ色の時代を経て、キュビズム、新古典主義、シュルレアリスムと、生涯をかけて目まぐるしく変わっていく作風に、改めて驚かされました。
展示室を出る頃には、良い意味でくったくたに疲弊します。ピカソの飽くなき創作熱にノックダウンされた、そんな東京出張の締めくくり。
【5月】
「コレクション展 春」
場所:アサヒビール大山崎山荘美術館(京都)
会期:2022年3月19日-2022年7月3日
定期的に足を運びたくなる美術館。
山荘美術館という名だけあって、山奥の別荘の雰囲気を感じられる美術館です。
安藤忠雄さんが手掛けられた新棟「地中の宝石箱」と「夢の箱」の空間も素晴らしくて。
定期的に足を運びたくなる最大の理由が、この「地中の宝石箱」に展示されている(常設)モネの作品にあります。
美術館内にカフェが併設されているのですが、そこで提供されるメニューも大注目で・・・!
開催中の展示会にちなんだオリジナルケーキを期間限定で食べることができます。
こういう類のもの(イメージケーキ?)にめっぽう弱いわたしです。
イメージケーキといえば、数年前に閉館となった「原美術館」内に併設されていたカフェ「カフェ ダール」のものが思い出されます。
展示内容よりもこのイメージケーキを楽しみに美術館に足を運ばれていた方も多かったのではないかと想像します。わたしも例に違わず。
「瀬戸内国際芸術祭2022(春会期)」
場所:犬島、男木島 他(香川)
会期:2022年4月14日-2022年5月18日
「モディリアーニ -愛と創作に捧げた35年-」
場所:大阪中之島美術館(大阪)
会期:2022年4月9日-2022年7月18日
「美術」で振り返る2022年:その2(4月-6月編)、これにて終了です。
この後、その3・その4と続く予定です。
自分のことながら、あまりのボリュームに心が折れてしまったため、「その2」より一部内容を割愛してお送りしています。
ご覧いただき、ありがとうございました。
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