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アフリカ①

ニジェールは民政に移行した後、平和的に政権が交代しようとしていたが、軍のクーデターが発生してしまった。

➀ソンガイ帝国

ニジェールは、ソンガイ族の国で、ソンガイ帝国といえば、黒人の最大の帝国だった。


マリ帝国も、大きく、黄金の帝国と言われたが、ソンガイ帝国はそのマリ帝国の支配から脱して形成された。ソンガイの武将ソンニ・アリ(在位1464年〜1492年)が初代王となり、基礎を築いた。そして、その後をアスキア・ムハンマドが継いだ。名前でわかる通り、イスラム教徒であり、帝国もイスラム教を採用していた。(在位は1493年〜1528年)北アフリカのイスラム教国との交易で繁栄し、ムハンマド時代に最盛期を迎える。黒人イスラム教国として、知られるようになった。

世界遺産となったアスキア大王の墓
アオキ類が使われている

だが、16世紀後半になると、自然災害や疫病、内乱により衰退に向かう。さらに、アスキア・イスハーク2世(在位1588年〜1591年)はモロッコとの戦いで大敗した。1591年、モロッコ軍は鉄砲を使い、ソンガイの都市を影響下に治めた。(時期的にも、長篠の戦いに近い。)

➁ニジェール川

ソンガイやマリが繁栄したのは、ニジェール川に負うところが大きかった。ニジェール川の湾曲部で、イネの栽培が行なわれていた。動物で荷物を運ぶことをあまりしなかったので、舟が重要な運搬方法だった。ただ森林地帯ではないので、低木を編んで舟を造っていた。
また、ニジェール川上流では砂金が採れたので、これが帝国の繁栄に役立った。
ニジェール川は文化交流にも貢献し、今日スーダン様式と呼ばれる文化財を遺した。


③誇り高い人々

過去に繁栄した歴史を持つ国の人々は誇りが高い。ニジェールはウランの産出が世界3位で、フランスの原発は、ニジェールに依存している。今回のクーデターにロシアが絡んでいることは明らかだが、フランス植民地下で、かつての帝国時代のプライドが傷ついた。フランスは、武力を使うのではなく、ニジェールの傷を癒やす必要がある。


お読みいただきありがとうございました。


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