#4せわしない毎日に自分を見失う。夢だった日本語教師を退職する
私がいた頃の日本語教師の世界は、最初は非常勤講師で経験を積みそこから3年ほどで常勤講師になると言われていたました。(先生になった最初の1年は授業準備に何時間もかけるので、経験がないと授業への引き出しにストックがなくなるから。)
それが、勤めていた学校規模の拡大により10ヶ月ほどで専任講師のお声がけをいただきました。
それでも最初のころは、生徒たちや先生たちとの関わりはとっても楽しくて、学校での運動会の企画や校外学習の企画。
「せんせーーーい!」って毎日元気に話しかけてくれて、生徒たちのおかげで笑顔になれて。
生徒たちの進路や日本語学習の進捗を毎日みていて、成長する生徒たちをみて本気でうれしかった!!!
アルバイトの面接に付き添ったり、みんなの寮に顔を見に行ったり。彼らにとって、私は先生だけど、なんだか安心する存在には、なれてたのかな?っておもって。
今まで自分が異文化に行くことが魅力的でした。逆の立場で異文化で挑戦する彼らを応援できる仕事はとてもやりがいがありました。
でもそれも感じられるほどの余裕がどんどん、どんどんなくなっていったんです。
いざ専任講師になってみたら…
週3での授業 → 週5+学校業務
授業数が一気に3倍には増えて…
授業のストックがない私は…超多忙生活に。
朝6時には家を出て、電車内で授業準備。学校で授業がないときは生徒にほぼつかまり、まれにランチも食べられず。学校後は、学校休みがちな生徒の自宅訪問。帰宅の電車でも次の日の授業準備や宿題作成。帰宅は22時。帰宅後も次の日の授業準備やテストの準備や採点。
週末もテスト作成やら授業準備。(じゃないと平日寝られない)
学校にずっと来ない生徒の自宅訪問。(家とは真逆の方向へ仕事後に向かう)
あーーーもう無理!!!!
って多分入って1か月で思ってた。
気づいたら担任2クラスもち、60人以上の生徒を一気に見ていたわけですが…どんどん拡大する学校に専任講師の数が足りていない。
私も追いついていない。
辞めたい。
辛い。
多分常勤になって1ヶ月くらいでそう思いました。最初のように全然楽しめていないのです。
あれ?私この仕事にずっと付きたかったんじゃなかったけ?
あんなに頑張ったのに…
なんだか疲れすぎて勝手に涙が出てくる。
みなさんもこんな経験ありませんか?
そんな私にアメリカ人の彼氏(いまの旦那さん)が
『ねぇ、なんで辞めないの?』

すっごい不思議そうにキョトンとした顔で聞いてくるんです。彼の文化からしたら、不思議でしょーがないんです!
そして私は辞めたいと自分で言ってるくせに
『だって…!!!!』
と辞められない理由を何個も何個も述べ始めました。
辞めたいのに、自分を正当化するように。この議論で正しいのは私だ!と言わんばかりに。
だって担任だし!
だって生徒がたくさんいるし!
だって私が辞めたら他の先生が大変だし!
だって私はこんなに頑張っているんだ!!!!
それでも彼も彼の友達は、
みんな『?』(みんなアメリカ人)
給料も安い。残業代も出ない。自分の人生を生きられてないのに、毎週泣いているのに…
またあのキョトンとした顔で
『なんでそれでもやめないの?』
そしてある日。仕事が遅く終わり、学校を出ました…
語学学校は西新宿のオフィス街のど真ん中。

このままだと潰れてしまいそう…
そんなことを考えながら、ふとビルを見上げると
まだたくさんの明かりがついていました。
終わりのないこの社会。私、以上に死にものぐるいで頑張ってる人のほうが圧倒的に多い。
「まだ働いている人がいる…。」
なんだか恐怖すら抱きました。

ふと、やっと決心しました。
もー辞めよ。
なにを守ってたんだろう。
そして退職したあと
私はもう日本語教師なんて一生やらない。
って思ってしまいました。持っていた教科書や参考書をほぼ全部売ったり、人にあげたり、処分。なんだかせいせいして。
日本語教師はもう無理。
とまで思ってしまいました。
ここ数年でやっと気がついたんです。
あのときの私は、国際的な仕事に付きたい。というだけで日本語教師になりたいと思いました。
でもじゃあ、国際的な仕事について…なにがしたい?
どんな人生を生きたいの?
自分の時間が全くない人生を送りたいか?
答えはNOです。
じゃあ、私は一体どんなワークライフやどんなライフスタイルを送りたい?
ということを全くもって考えていなかったんです。
自分でわかっていなかったんです。
人生で大切なことはなんなのか。考えなかったんです。
ただただこの職業につきたい!って考えてて、
この職業についたら幸せになれる!
そう思っていたんです。
自分を見失うくらい働いたいわけじゃなかったんです!
職業でしか将来を選んでいなかった。
だからこそ自分が求めていないライフスタイルを送りながら、なりたかった職業のはずなのにただただ辛くて。苦しかった。
多忙すぎて、
自分の人生を生きることができずにいたんです。
でも夢だったから、がんばった自分をを肯定したくて、でもって言いながら続けてた。
自分の人生が嫌になってきてしまってたから、気が付いたら、日本語教師キライ。って
その職業まで拒否していました。
私達は、将来どんな仕事につきたい?っていうところから考えるけど、本当はもっとそのさきの
どんな生き方がしたいのか。
どんな働き方がしたいのか。
自分にはどんな信念があるのか。
どんなことにやりがいを感じ、それはどうしてなのか。
本当に幸せを感じながら生きていくには、ここから考えていく必要があるんです!!!!!!
じゃないと、
ずっとずっと何か起きるたびに、やり方だけを考えて永遠に自分の理想にたどり着くことができない。
日本語教師を辞めて6年。
最近また日本語教師として働き始めました。
あれ?やっぱり私この仕事好きだ!
ってそう思って今は仕事をしています。自分の生きたいライフスタイルを描く中で日本語教師として、どう働きたいのか。
そんな価値観と自分のライフスタイルを考えることができたからだと思います。
もしかしたら、「甘いよ」って思われる方いるかもしれない。
でも私はこうしてまた日本語教師に自分のなりたい形でなることができたので、だれに何をいわれよーとオールOKなのです。
次は
#5 アメリカに行く決心。夫婦でビジネス?!ホームレスになりたくない!と不安になる日々。” です!
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